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間接キス  作者: 紫陽花
4/5

閑話

この話の中で一番短い。閑話ですから。

 その日の放課後も、奈流の部屋で見たのは洋画だった。

 兵隊を題材にした映画で、その時代の厳しい現実が描かれている。

 俺の意識はほとんど奈流にいきがちだが、その映画に、俺は思うところがあった。

 物語の主人公は女スパイで、敵の隊に女隊員として潜り込むというものだった。

 そして、主人公はスパイであることが疑われ、潜り込んだ先でハニートラップにかかってしまう。完全にスパイであることがばれた主人公は、逆に利用されそうになる。しかし、トラップを仕掛けたはずの敵隊員は、主人公を愛してしまう。二人は真の愛に目覚め、全てを裏切って逃走する。と、そういう物語だ。

 けれど俺の引っ掛かりは、主人公と敵隊員ではなく、敵隊員とその上官だった。

 敵隊員に主人公にハニートラップを仕掛けるように指示する上司と、上司の指示で好きでもない女を口説く敵隊員の関係が、どうも他人事とは思えないのだ。

 いや、実際俺がやっているのも、似たようなものなのだろう。

 エンドロールまで静かに鑑賞する、隣の奈流に目を向ける。

 上官のために身を挺する隊員。

 隊員は主人公と恋に落ち、隊から離れることで、上官の命令からも逃れられた。これは、そういうストーリーだ。

 俺は、奈流を裏切るなんてこと、絶対しない。

 これは俺の個人的でしかない考察だが、隊員は上官を愛していた。

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