表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チョコレート・ムース・レシピ  作者: 枕木悠
第三章 ザ・テラス・ドール・シスターズ・イズ・バック!
29/52

第三章⑥

白いパワーストーンを首に下げたゼプテンバはメイド喫茶ドラゴン・ベイビーズに戻った。お昼時なので店内は混雑していた。奥の円形のステージの上ではバイトリーダの東雲ユミコとキッチンリーダの谷崎モモカが踊って歌っていた。二人はヴァレンシアというユニットを組んでいて、レジ横ではCDも売っている。どれも十年前くらいのアニメソングのカヴァだが、一枚二千円のCDはよく売れている。

 ゼプテンバは彼女たちの歌に耳を傾ける。

 心地の良い旋律に乗せたストレートな歌詞。

 アニメソングはそれだからいい。

 恋心が素直に表現されている。

 ゼプテンバは今の自分の気持ちと詞をリンクさせて。

 センチメンタルな気分になった。

「あ、ゼプテンバってば、」久納がゼプテンバを見つけて、睨んでやってくる。久納はメイド服を着てパンダの耳を付けてお盆の上にグラスを乗せて運んでいる。「どこ行ってたの? キッチンが大変なことになってるよ! リホちゃんが死んじゃうよ」

「すぐ行く」

「あら、素直、」言って久納は首を傾げる。「ああ、首を傾げてる場合じゃないね、忙しい、忙しい」

「久納、お願いがある」

「え、何? ゼプテンバが私に? 珍しい、」久納は愉快そうだった。「いいよ、聞いてあげる」

「詞を書いてくれ、」ゼプテンバはメロディを録音したデモテープを久納のエプロンのポケットに入れた。「夜までに頼む」

「え、夜まで?」

「お願いだ」ゼプテンバは呼び止める久納を無視して更衣室へ向かう。

 更衣室に入ると、アメリが着替えていた。これから出勤のようだ。ゼプテンバの方を見て、アメリは微笑み歯切れのいい口調で言う。「おはようございます」

「おはよ、」ゼプテンバは軽く手を持ち上げて言う。「顔色も、髪の毛の色もいい」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ