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すべての運動は繋がっている!? ヘディス上達とドイツの恵まれたスポーツ環境

「咲ちゃん! ナイスサーブ!!」


キュッ、と体育館の床をシューズで踏みしめる音とともに、私の放ったヘディス(Headis)のサーブが卓球台のエッジを掠めた。


相手が体勢を崩し、ボールがコートの外へと弾き飛ばされる。


「やったぁぁぁ! 得点入ったー!!」


思わず両拳を握りしめてガッツポーズ!

卓球台を挟んで、専用のゴムボールを『頭だけ』で打ち合うドイツ発祥のユニークな新感覚スポーツ・ヘディス。


最初は基礎体力をつけるための「ヘディスフィットネス」目的で参加していた私だったけれど、回数を重ねるうちにその魅力にどっぷりとハマり、最近では本格的な実践練習にも参加するようになっていた。


もちろん、経験者のみなさんの足元にも及ばない。強力なスマッシュを打ち込まれれば手も足(頭?)も出ないけれど……それでもこうして、狙いすましたサーブで1点をもぎ取れるようになってきたのだ!


「咲、今のサーブすごく回転がかかってたよ! コア(体幹)がしっかりしてきた証拠だね」


コーチが笑顔で褒めてくれる。


そう、基礎トレで鍛えた体幹やステップの動きが、そのままヘディスの正確なインパクトやボディバランスに繋がっているのだ。

「練習した分だけ自分の身体が思い通りに動く」という感覚は、想像以上に楽しくて、私の中に大きな「自信」を植え付けてくれた。



「ねえ咲ちゃん、今度のローカル大会、エントリーしてみない?」


練習後の休憩中、一緒に汗を流していた仲間から思いがけない提案をされた。


「えっ……た、大会ですか!? 私なんてまだまだ全然レベルが……!」

「大丈夫だよ!今の咲の成長速度なら十分食らいつけるって。目標があった方が練習も何倍も面白くなるよ!」


——大会への出場。


一瞬、胸がドキリと跳ね上がった。

自分なんかが大会だなんて……と最初は気後れしかけたけれど、「今の私の実力でも手が届きそうな目標設定」があるのだと知ると、急に胸の奥から湧き上がってくるものがあった。


(自分の力を試してみたい……! どこまで通じるか挑戦してみたい……!)


一度芽生えた挑戦への意欲は、もう抑え込めそうに無かった。



大会という目標ができたことで、日々の運動へのモチベーションはさらに加速した。


ヘディスの練習やフィットネスはもちろん、休日にライン川沿いを走る「マラソン(走り込み)」も欠かさない。


(……不思議だな。運動のすべてが、目に見えない糸で繋がっている気がする)


ランニングで培ったスタミナがフィットネスの追い込みを支え、フィットネスで鍛えた筋肉がヘディスの力強い動きを生む。そして身体が引き締まって軽くなることで、日々の生活までエネルギーに満ち溢れていく。


日本にいた頃の自分からは、およそ考えられない変化だった。

まさかドイツにワーホリに来て、こんなにガチでスポーツに勤しむ日々を送ることになるなんて!


でも、ドイツという国は本当にスポーツが身近で、誰でも気軽に運動を楽しめる環境やサークルが街中に溢れている。この恵まれたスポーツ空間が、私をここまで夢中にさせてくれているのだと思う。


「よしっ! 次の大会に向けて、今日もランニング部で走り込んじゃおう!」


夕道に染まる風を頬に受けながら、私は新しい目標に向かって爽やかに一歩を踏み出したのだった。

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