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修学旅行の話しのその後の話し

作者: 桜葱詩生
掲載日:2026/02/16

※恐い話ではなくて不思議な話です※苦情は受け付けておりませんが 罵倒は受け付けております※話しがお分かりにならないときはと思いますが 申し訳ありません

※カクヨムからは除外しております


小学校六年生のときに行った修学旅行の話しを話した


正確には修学旅行に行く前に起こったことを、旅行のときに話して、そこでもんなことがあった、という話し こういった話しは、話しの周りに関係があってもなくても、包み込むようにいくつかの話しを置いて(話して)おくとなんともない、ということがそれまでに試して分かっていたので、そういうふうにした それにかなり昔の話 もう何ともない…はずだ


ただ、このときの話しには誇張というか、正しくない所がある クラスのほとんどが金縛った、なんて実際にあったら大問題、大騒動だ でも、そんなことにはならなかった クラス一丸となって口をつぐんだ、というのもあるけれども、これはどちらかというと僕の主観的印象…というか、思い違い そのときにあるクラスメイトがある反応をしたことで、そんな風になってしまった そんな有耶無耶なもの


でも、この話しにはその後に、いくつか時間が過ぎてから、今さらそんなこといわれても…ということが続く こういった話しって、起きた直後に全部わかる、ってことはほとんどない



----修学旅行の夜


寝る前に以前の話しを話し聞かせた…いわゆるピロートーク(枕物語)だ 小五のときに話しを聞いたクラスメイトはひとりを除いて何ともなかった もちろん、僕を含めて 話しの内容は…夏休みに友達の家に行った それだけだ



怖い話しをしている途中ぐらいから何人かのクラスメイトが横になって静かになった 飽きたのか、疲れて眠ってしまったのか…わからないけど、起きていると思えるようなクラスメイトは三分の二に足りないぐらいだったと思う 僕の話しのあとにも何人かの怖い話しが続いた 実はそのときに、かなり怖い話しがあった、と起きていたクラスメイトが口をそろえていった 僕は聞いた覚えがない 後から…誰が話した? とはっきりさせようとしたけれども、それもわからなかった 誰かがそんなことにして怖がらせようとしたんだろう…そういう怖がらせ方もある


コイバナ(エロい話し)とは違って、語り話しはよほどうまくないと驚かない それどこかで聞いた、前にも聞いた、このあと誰かが大きな声を出して驚かすところ…そんなことがわかったり、誰かがいいだすと途端に怖い話しはおしまいになる 疲れてもいた みんな、どんどん眠っていく 僕ももうなんだか疲れたよ…そう思ったとき、先に横になった部屋の誰かが呻き始めた


うー ううう うー


それにつられてか? 隣に寝ているパトラッシュ(友人)が呻き始めた


ううー うわぁあ ううー


この寝てたのが…霊媒体質でこの後、良くも悪くも巻き込みやがる友人(パトラッシュ)だ 布団にくるまって静かにしていたと思ったらそうなった 体をよじったり、荒い息をする


ホントうるせー奴だ


そう思い、身を起こして友人を見る 特に何もない、ただ憑りつかれた友人のようだ…まあこのとき僕はまだこいつがそんな体質だった、ということを知らない で、その後からクラスメイトがぽつぽつと、身体を起こし出した 周りを見回す


「なんだよっ、これっ おかしいだろ、おいっ」


そんな風に声を荒げるクラスメイトがいる中、横になったクラスメイトの何人かは起きなかった そんな風に呻いて、怖がらせる恐がらせ方もある、ということだな、そのときはそう思った 起きなかったクラスメイトは半分以上 薄明りの中、誰かが黙ると、途端に、軽い、何かにうなされているような声…と誰かのいびきが聞こえる それ以外は全員、逆に押し黙って、ものすごく静か その状況がなにか異様というか…いやな感じがする 驚かせようとしている奴にまんまと乗せられている 起きたクラスメイト同士が顏を見合わせて、なにかひそひそ、と話しはじめた 寝ている奴が、うしし、とか喜んでいるだろう そう思って確認すると起きている人数は十人いるかいないかぐらい あとは……


「ううわあぁっ」


そのとき、いきなりクラスメイトが慌てたように飛び起きた こいつのことをDとしておく Dは肩で荒い息をして、布団を握って、おえっ、とか吐きそうな嗚咽を漏らした それにびっくりした起きていたクラスメイトがまた、大きな声を上げて騒ぎ出す それなのに…そんな声を出している奴がいるっていうのに、寝ているクラスメイトはピクリとも動かない 寝たままだった うしし、だ


「なんか変だよ おかしいって」


そういう声がしたけど…まあそんなこともあるよ みんな修学旅行で疲れてるんだよ さあ気にせずに寝ようぜ


後からまったく起きなかったクラスメイトに話を聞いてみると…ほとんどが、眠たかった、聞こえなかった、といった 良かったな 無理にそっち側へと繋げる必要はない


ただ


飛び起きたDがこっちを睨む いや僕を睨んでもなんにできないよ で、あまりにも呻いてうるさかったから、僕は隣で寝ている友人の頭の上を手で三回、パッパッパッ、という感じに払った 何の気なしに


少しして…友人が静かになった 眠りはじめる みんなそれに安心したように…布団に入って寝はじめた 僕もそれに倣って眠った


----修学旅行の翌日の朝


こういったときの翌日の朝っていうのは混乱する 見慣れないところで起きる朝っていうのはこうなる 子供がお泊り会とかで、びっくりして泣き出して、眠れないのはこのためだ 天井が違うだけで子供は恐い


誰も…何も話さずに着替えと準備をし始める そこで僕は何の気なしに、隣に寝ていた友人に昨日の夜のことを聞いた お前…うなされてたけど何を見た?


友人はこう答えた


「わかんねー、けど何かに追っかけられてて…走ってんだけどよ、遅くて逃げれねーんだよ。取っ掴まりそうになって…それがすげー怖かった」


うん、夢でよくあることだね そんな話をしていると、昨日の夜に飛び起きたDがこういってきた


「なにいってんだよ。そんなのあるわけねーだろ。やっぱ嘘っぱちじぇねーか」


? いやなにかにうなされて起きたのお前だよね?


ところがそれにクラスメイトの大半がこういいだした


「いや、なにかが頭の上を飛び回ってて、怖かった」


一丸となっての、うしし、だ…ただ、そのあと、Dが引かなかった あった、なかったのの口げんかがはじまる Dはそういった闘争に対して過度に反応するくせがあった なんでかDが、なかった、といいだすと、みんながそれに反対する 本当のケンカがはじまりそうになる寸前


「おーらっ、みんな起きろ~、朝だぞ、起きろー」


担任が現れて、全部、有耶無耶にした みんな口をつぐむ 準備を促されて…僕たちはそこを後にした


その後には特に何も…友人がバスに酔って吐いた それを何人かのクラスメイトがもらって、バスの中が異様なにおいと雰囲気になった 窓を開けて凌ぐ


担任が、寝不足だからそんなふうになるんだ こういったときは静かに寝ておけ、と教訓を垂れた


どうも…先生も寝不足だったらしい 酒盛りでもしてたんだろう…こんな子供ばかりの世話なんて酒でも飲んでないとやっていられない



----中一、夏合宿


話しは飛ぶ 中学になって僕は、修学旅行で飛び起きたDと…決して大輔だからではない、と同じ部活になった 僕は半強制的に、Dは自ら望んでその部活に入った


この中学では部活の入部が必須だった 推薦、内申点、そういった点数が部の活動でついた 部活動での大会出場経験 その成績、貢献度とか、そういったもので点数付けされた


この年、入部した部は好調だった 部成立以来、初めて、市内の地区大会で好成績を出して、次の地域大会…県大会の前に、出場中学を近隣のいくつかの市ごとに集めて勝ち抜き戦(トーナメント)を行って、県大会への出場を決める大会…でも上位にいた 三年が優秀だった そんな状態になると始まるのが合宿…夏合宿 ここまでが話しの前振り、というかそんなことをした理由


後から考えるとこの、夏の合宿、というのは僕の鬼門だ 楽しそうだけど…碌な目に合わない


----


Dにはお兄さんがいた 僕たちはそれを部活動での話しで聞いていた Dがその部活をはじめたのも、お兄さんがやっていたから、ということだった


----


合宿でやること、それはもちろん、枕投げ、布団投げ…払い腰からの布団へと体を落とす行為、エロい話しに怪談だ…コイバナじゃない? 中学にもなるとそうでなくなる で、僕はもちろん、以前の話をしよう(使用)と思っていた ところがDが先にその話をしてしまった



これは友達の話なんだけど…ではじまるいつもの(はい)り 友達がその友達の友達のアパートにいった時に奥に墓があって、夜、何気なく窓を開けてみたら金縛りにあった 奥の墓から生首が飛んできて、笑いかけられて気を失った そのあともう一度アパートにいったら、そのアパートはなくっていて、その友達もどこのだれかわからなかった



………話し方に情緒というものがない 随分と端折っている 肝心な志水くんのところが無い 要約するとまったく怖くない あとそれは部活の三年の先輩にも話しているから、その友達っていうのが誰かまるわかりなんだよ、D


そんなことをされたら…話すことが無い で、仕方なしに僕はその後にあったBくんの家の犬の話しをした


そういえば…Bくんには弟がいた Bくんの弟はダウン症で一回も会っていない 家族にそういう人がいる家庭というのは大変だ


さて…夏合宿で早めに寝ることは厳禁 特にこのころの部活動…というかこの年代の先輩というのは、イタズラが大好きだ 一番最初に寝ると…下半身のある所をまさぐられてひどい目に合う BL展開? 違う、少年たちの心ない性的好奇心という奴は果てがないだけだ


そんなことをクリアして…やっと眠りにつける…と思ったら、今度はDがうなされはじめた Dひとりだけ 先輩がそれに気をよくしてイタズラをしはじめる それなのに、それでも起きない 寝汗をかいて身体をよじる


「ほら、そんなことするから変な夢見てんじゃねーか」


そんなことをいいつつ、みんなして心配をする だけどできることなんてない


「俺、知らね」


そういって何人かの先輩たちが知らんぷりを決め込んで寝ていく さすがに部長と副部長がこれはまずい、と心配して無理にDを起こした あんなに体を前後に動かしたら、首を傷めるからやってはいけない、と思うほど、揺れ動かした


Dはそれで起きた みんな一安心


「何、エロい夢、見てたんだよ」


先輩がそう冷やかすとDは


「いや…普通に寝てただけだけど……」


と答えた みんなして、いやいやいやいや…と突っ込んだ 心の中で あ、これもあれだ うしし、だ


----中一、秋季大会


話しは10月の秋季大会まで進む


地域大会を突破することはできなかった 三年生は夏休みが終わると同時に引退、その大会には二年生主体で挑んだ ただこのときの二年生はあまり上手くなかった 年功序列でレギュラーが決まる


Dは背が高くて運動神経もよくて、一年にしてそれまではレギュラーだった だけど、このせいでそこから外れた 僕と一緒に球拾いをする 秋季大会は惨敗 一勝もできない そのせいか、そのあとから特訓、という名のしごきがはじまった ついていけない一年生が次々に怪我をしはじめて、でも必修だったために辞めれなくて、しごきがひどくなっていって…そんなときにDに呼び出された


----


部活のことかな? そう思ったら違った


「お前ってさあ…お祓いか何かできんのか?」


いきなりそういう どこからそんな話しになった? そう聞くとDはこんな話しをし始めた


----


※ここから先の話しは絡まっている…というかなんというか…そんな風になっている 記録したのが間違っている、僕の勘違い、もしくは担がれた 全部かもしれないし、そのうちのどれかかも知れない


----


小学校の修学旅行の夜、怪談を聞いた後、Dは首のない男に追いかけ回される夢を見た 走って逃げているのにすごく遅くて捕まる…ということを何度も、何度もやったという あるタイミングで起きれて起きた あれ以上に怖い夢は見たことがない そういった


----


「ならなんで翌日の朝、何にもなかったっていったんだよ?」


そう聞くと


「ちげーよ、あったっていったのにみんなしてなかったっていったんだろ? 口裏合わせやがって…だから嘘つくなっていったんだよ」


僕が記憶しているのはDが、そんなことなかった、っていったことだ 僕の思い違いだったか…それならそれでいい


Dの話しは続く


----


修学旅行から帰って…すぐ、2日後 母親に、


「おばあちゃんが亡くなったから用意しなさい」


といわれた 修学旅行にお小遣いまでくれたのに…突然だな そう思って荷物を用意しようとして、どんな服を持っていくのかわからなくて、母親に聞きに降りた…Dの部屋は二階だった そしたら誰もなんの用意もしていない なんだよ、俺だけ…そう思って母親に聞くと


「え? おばあちゃんが亡くなったって? いつ? わたし、そんなこといった?」


確かに母親が部屋に来てそういった でも肝心の母親はそんなことしてないという 覚えてない Dの勘違いだよ、そんな風にいわれて、ふてくされて部屋へと帰る すると少しして電話が鳴った 両親がバタバタ、しはじめる


父親に呼ばれて降りる こういわれたらしい


「伯父さんが亡くなったから用意しなさい」


父親のお兄さんが亡くなったと電話があった Dの父親の実家は、隣の市の川を渡って行った先にあって、Dの家から車で30分もかからない所にあるという 子供たちだけ残していくのは不安なのでみんなで急いで実家へと向かう


実家に着くと、亡くなったっていう伯父さんが出迎えてくれた 兄貴が死んだって電話があって急いできた、という父親に伯父さんは笑ってそんな電話はしていない、と答えた 電話をくれたのは伯母さんだった、というと、伯母さんも、そんな電話はしていない、という 叔父さん夫婦とおばあちゃんはその家に一緒に住んでいて、Dの家の田舎になる


おかしいな? そう思いつつ、せっかく来たんだからお茶でも飲んでいけ そうやって30分ぐらいしてそこを後にした


----


そんなことがあった2、3日後


Dの姉さんが


「服がない」


といいだした 同じに父親が、自分のスーツもなくなっている、といって家族の服が無くなっていることに気がついた Dも靴下と服がなくなっていた


この間、出掛けたときにもしかして泥棒に入られた?


そう考えて家族で貴重品を確かめる でもそれらは全部無事 ただ服だけがない 不思議なことがあるもんだね そのときはそう笑ったという


この服はこの後、家の中の物置…父親の釣り竿とかを置いているところらしい、バケツの中から見つかる 母親が洗濯をしようと入れてそのまま忘れた、ということになった 母親はそんなことしていない、と否定した なにより、釣りに使うバケツになんて入れない、という


これが修学旅行の後にあった話し


----


時間は進んで…中一の夏合宿とその後


合宿の夜、怪談話をした そのときもDは首のない男に追いかけられる夢を見た 実は修学旅行の後、度々、首のない男に追いかけられる夢を見ていたという 首のない男に追いかけられて、捕まって、頭を取られそうになる…そういう夢に変わっていっていたらしい それはどういうときに見た? そう聞いてもDはわからない、という タイミングはわからずじまい


そして、そのときも数日後


「伯母さんが亡くなったから用意しなさい」


と母親にいわれた あれ? 前にもこんなやり取りをした そう思ったらしい 伯母さんは長い間、具合が悪くて入院していたという 家族全員で用意をしてお葬式に向かう 今回は本当だった


伯母さんの死因 それは


頭の中に悪いものができて、それで


だという 詳しいことは俺には話してくれなかった、とDはいった できる、のならいくつもない



悪いことは続く そのすぐ後、今度はおばあさんが亡くなった この間まで元気だったのに…そう思ってDは親に、なんで死んだの? と聞いた すると、母親は、転んだ拍子に頭を打った、と答えた 転んだことに気がついて、救急車で病院に運んでもらったけど…ということだった


----


そして10月(いま)


つい最近、伯父さんが亡くなったという 短い間に何人もだ そしてそれが…それも頭の病気だという


朝、出勤してこない伯父さんを心配した会社の人が父親に連絡をして来て、一緒に実家へと向かった そこで伯父さんが倒れていた どうも…急性のくも膜下出血だという 実家で一人暮らしになっていた伯父さんは倒れたときに誰もいなくて助からなかった


そういう


ここではじめて、Dは頭の病気になったり、頭を怪我して、ということを気にしだした 自分は頭がない男に追いかけられている、しかも自分も頭を取られようとしている…そんな夢を見ている 何か関係があるんじゃないか…そう思って僕に声をかけたという


何も変なところはない 予言的な物事があってそれが実現していった、というだけのことだ 特になんの問題もない そういうこともある よく聞く話しだ


----


そこまで話すとDはこういいだした


「今思い出すとさ、修学旅行に行く前に妹が、頭がどうのこうのっていっていたんだよ。あれ、よく聞いておきゃあ良かった」


どうのこうのじゃわからない


「兄弟が多いんだな」


そう聞くと、


「ん?」


不思議そうな顔をする


「にいちゃんに姉ちゃん、それに妹もいるんだろ?」


ところがDはこういった


「え? うちには妹しかいないぜ」


「?いや部活でにいちゃんがやっているからはじめたって聞いてる」


それにさっき姉ちゃんって


「そんなこといってねーよ、家には妹しかいねーよ」


そうか……


「年上の親戚でにいちゃん、姉ちゃんって呼んでいる人がいるとか?」


そういう呼び方もする


「?伯父さんとこに子供はいないよ、いたんなら伯父さんが倒れたのにも気つくじゃねーか」


学生だったらそのとき、いないかもしれないけど…そうかもしれないな


「全員、頭ってのが気味が悪くてよ……」


「ああ、まあ確かにな……」


それもお前のもなんだが…とはいえなかった それに続くのがまた変だった


「伯母さんはかなり前から具合を悪くしてたからさ…みんな気にしてたらしい。伯父さんも大変だったって……」


?「そうか…伯母さんはどれくらい入院してたんだ?」


「え? だから小六の春からだよ、病院に入ってすぐ悪くなったっていってたからな」


?「伯母さんが身体を悪くしたのは春先からだったんじゃないのか? 亡くなったのも夏合宿後だろ?」


Dは夏休みの後半、部活を葬式で休んだ 敗退した後だったから、あいつ、逃げたんだぜ、という噂になった


「?違うぜ、小6の修学旅行の直後ぐらいだったぜ。帰ってきてすぐに電話が鳴って、おばさんが亡くなったって聞いたんだから」


「そうか……」


確かにDは小六のときも忌引きで休んだ 修学旅行の直後の数日間 そっちも誰だったのかはわからない 


「だって…そのときに着た服を母親がクリーニングに出し忘れて、大変なことになったって、さっき話しただろ?」


よく覚えてるぜ、とDはいう


「伯母さんて…二人いたりしないよな?」


「いいや、オレのおばさんはひとりだけだぜ」


「母親の姉妹とかは?」


「母親は一人っ子だっていってたぜ…そんなの関係あるか?」


いや…「いまの…ノートに書いて整理していいか?」


聞くのと書いているのとでは訳が違う


「んなの後にしろよ、でだ、お前ってお祓いとかできんのかってことだ」


は?「できないよ、そんなの」


「だってしてたじゃねーか」


いつ?


「修学旅行んとき、みんなが騒いで起きた後にさ、隣に寝ている奴の上になにか黒いものが飛び回っていて、ゾッとしたんだよ。それをお前、手で、パッパッ、ってやって払ったじゃねーか…あれで、ああこいつはそういうことができるんだな、って思ったんだよ。あれやってくれよ、俺にも、うちの家族にも」


残念だけど僕にそんな能力はない


「Dが見てるのは夢だから大丈夫だよ」


「大丈夫じゃねーよ、寝ている間に入り込まれるってよくいうじゃねえか。俺、絶対それじゃねえかって思うんだよ。姉ちゃんも最近、変な夢を見はじめたっていうし。俺、怖えーんだよ。な? 頼むよ……」


………


そういったことは本職に頼んだ方がいい


そうアドバイスしておいた


----


その後、この話しをノートに記録した 正しいかどうか、本人に聞きに行ったんだが…Dが、お前には相談しない、話さない、と頑なに拒まれてしまって、また、有耶無耶になった


部活のほかの部員も、ああ、兄貴がいるって聞いた、と答えた ほぼ全員がそう聞いていた でもDはそれも否定した Dがそれに憤慨して、呆れるようになって、この話しも有耶無耶になった


Dの親しい友人ってやつに聞いても、兄貴がいる、って聞いている でもあったことはない もちろん姉さんにもあったことがない 妹はちゃんといたらしい ただ、その年3才…2歳の子が頭がどうとか…いうのか? いうか、いうんだろう そういう子もいる


この後、僕は部活で孤立した 僕だけしごきが続き、後片付けなんかも僕だけがやらされる ああ、担がれたんだな、騙された、そう思った そういうことにしておいた


Dはその翌年、3月、進級前に実家へと引っ越していった 農家だった実家に住む人がいなくなってそこに移り住んだ


連絡先とかは特に教えてもらってない だけど心残りはない


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