抜け出せない夢
電車の揺れで私は目を覚ました。
寝ていた座席から身体を起こし周りを見渡す。
この車両には私しか乗っておらず電車の外は暗い、夜か? 否、違うトンネルの中を走っているようだ、長いトンネルだな? あ、トンネルじゃない、私は地下鉄に乗っているのだ。
何時電車に乗ったのだろう?
電車に乗った時の記憶を思いだそうとするが思い出せない。
どの路線の電車に乗っているのか確かめようと、扉の上の路線案内図を見る。
何だ? 書かれている駅名全てに見覚えが無いと言うか聞いた事も無い駅名ばかりだ。
車掌に聞こうと後方車両に向かう。
最後尾の車両に車掌は乗っていなかった。
踵を返し運転席に向かう。
先程寝ていた車両を越え前方の車両に歩む。
運転席にも人の姿が無い、この車両はコンピューター制御されているのだろうか?
え、ということは、この電車に乗っているのは私1人だけ?
先程寝ていた車両に戻って座席に腰を下ろしスマホを取り出してボタンを押す。
あれ? いくらボタンを押しても画面は暗いままで明るくならない。
故障か? それとも電池が切れたのか?
仕方無く目を覚ますまでの事を思いだそうとする。
駄目だ全然……思い出せない。
座席に身体を横たえる。
夢を見ているのかも知れない。
そうだこれは夢だ! 夢なのだ、もう1度寝よう、寝て次に目を覚ました時、私は何時もの日常に戻っている筈だ。
寝よう。
私は電車の揺れで目を覚ました。
寝ていた座席から身体を起こし周りを見渡す。
私はこの電車に何時乗ったのだろう?
思い出せない。
記憶を辿ろうとするが、いくら考えても思い出せない
私は夢を見ているのか?
もう1度寝よう。
次に目を覚ましたとき日常に戻れている筈だ、寝よう。
私は身体を揺する振動で目を覚ました。