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全サーバー統合唯一モンスター…略して統一モンスターとの遭遇

「グロロロロロロォォォォォォォォォォーーーーーーン!」


巨大なクジラは本来潮を吹いている部分からは膨大な砂を吐き、それに髭によって巻き上げられた砂と風よって環境には突発的に砂嵐が発生する。


砂嵐。それは吹雪しかり霧しかり、視界が遮られるという俺にとって最悪の事象である。


幸い今回の砂嵐は遠くが見えなくなるほどの密度ではない。が、今後強くならないとも限らない…短期決戦を狙うべきだろう。


「鎧!短期決戦を狙う!攻撃に回れ!」


「了解しましたー!」


鎧は持っていた盾をしまい、盾と共に持っていたが使っていなかったロングソードを抜く。


準備が完了したところを狙いすましたかのようにクジラ側から砂の弾が襲ってくる。


あのクジラ…見た目似を具わず遠距離タイプかよぉ…めんどくさいなぁ。


俺の経験上、強くて遠距離攻撃多用のモンスターにはいい思い出がない。

なぜなら、とあるモンスターにゲームを始めたばかりの小3くらいの時、永遠に近づくことすらできず、苦しんだ思い出があるのだ。


近距離ならば見切れば問題ないが…見たところ予備動作無し。威力は低いんだろうが、ノックバックなどがあったら問題だな…ヨシ。


「鎧!弾一個受けてみろ!」


「ふぇ?」


その声に反応して鎧は振り向き、背中を砂に襲われる。


その瞬間、当たった砂が舞い上がり、砂嵐に巻き込まれていく。


当たらなかった弾は地面に落ちるので、これは当たるほど砂嵐が濃くなるギミック…で合ってるよな?


「ヨシ!よくやった!もう二度と受けるな!」


「あなたが受けろって言ったんでしょーがー!」


鎧はミリほども減っていない体力ゲージをSIN Zが見ていることに気づかず文句を言ってくる。


「体力が減っていない…ってことはこれはダメージがない…?いや、異常な防御力があるからな…そのせいかもしれない…」


これに当たって俺はダメージを受けるのか…受けないのか……ア”ーもう!考えてるだけめんどくせえ!


「当たって確かめるしかこればっかりは無いよなぁ!」


俺もわざと左手を弾にさらし、当たってみる。


「ッツ!」


そこで強烈な痛みを感じる。


体力ゲージは2割減。やはりあいつの異常な防御力のせいか…!


威力が思っていたよりも高い以上、これをそう何度も受けるわけにはいかない。元からギミックをおわえるため受けないようにするべきだが…理由が増えたな。


「鎧!次勢いが緩んだ時に一気に近づく!遅れるなよ!行けるなら先行ってもいいが弾に当たるな!」


「わっかりましたー!」


返事をした瞬間、鎧は話を聞いていなかったのではないだろうかと感じるほどすぐにクジラに向かって近づいて行ってしまう。


「オイ⁉」


だが鎧は今迄からは考えられないような軽快な動きで弾をどんどん避けていく。


その動きに焦って俺もちょうど緩くなったところで前に出る。


その途中、砂に前の方で唐突に足を取られる鎧が見える。


「何してんだ!」


「いやちょっと…ここら辺からいきなり柔らかく…」


足を取られて転んでいる鎧に砂の弾が容赦なく連射で当てられている。


そのせいでどんどんと空気中には砂が舞っていき、砂の密度が上がってだんだんと視界が砂色でおおわれていく。


「ヤバイって…速く起きろ!」


鎧がゆっくりと起き上がっている間に、砂の隙間からクジラが動いているのがちらっと見える。


…動き始めてしまった。

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