表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/16

初戦

狩場に来てから一分。俺は即刻ログアウトでもしようかという気分になっていた。


その理由?まぁそれは…


「武器ってどこでもらえるんですか?」


「購入…かなぁ」


「…貸してくれません?」


「ヤ☆ダ」


「チッ!」


「舌打ちはひどいんじゃないかなぁ⁉」


おっと。ゲームということで上下感覚が薄れてきてるな…気を付けるか。


「大丈夫ですよ!私が戦いますから!」


「ああまぁ…先生よりかは頼りになるかな」


「ああもう…ほら。そんなにいうならナイフ一本くらいならあげるから頑張ってくれたまえよ!」


テッテレー!SIN Zは投げナイフ×1を手に入れた!


「って投げナイフを投げないで使用しろっていうんですか⁉」


「うん。じゃ、魔物避けスキルを切るけど…いいね?」


「ダメです!」


「答えは聞いてない!」


その瞬間、周囲からおびただしいほどの視線を感じる。


「…!来るぞ!」


「ハイ!」


鎧と背中合わせになり、全方向に視線を巡らせられるようにする。


その瞬間、ヴーン。といった感じの羽音が聞こえ始める。


「何だこれ…?」


森の中に黄色と黒のラグビーボールのような形状のものが見える。これは…


「蜂か⁉」


「来ますよ!」


蜂という的存在の種に気づいた瞬間、一斉に飛んでくる。


「ハッ!」


ゲームならではの巨大サイズと動体視力を生かし、一匹ずつ羽だけを切り落として墜落させる。


「オイ!離れるな!」


「あっ、ハイ!分かりました!」


鎧は自重で押しつぶすという討伐方法であるためか、だんだんと俺から離れて言っていたためそれを注意した瞬間、横腹から激痛が走る。


「ガッ⁉」


次の瞬間に通知が来て、自分の状態を知る。


〘致命毒を食らいました〙


そして視界が暗くなり…


〘死亡しました。デス・ペナルティによって過去30分間に得た経験値の3割が消失しました〙


それを聞いて、視界に始まりの噴水が映る。


だがその視界はすぐにレベルアップ通知のウィンドウとアイテムの取得通知で埋まる。


「ッフー……ッシ!」


レベルは19。アイテムは致命蜂(デス・ホーネット)の羽が24枚に針が1本と、殺した相手の本体から離れた部分を取得できるようだ。


「ふーん…というか、鎧と先生ってどこに…」


その言葉のすぐ後に、後ろから声が聞こえてくる。


「よ、SIN Z君。帰ってきたよー」


「私も帰って来ましたよ!」


「おお…速くないっすか?」


「ああ。言い忘れていたが、死亡してから10分間完全に意識が消えた状態が挟まるんだ。時間的ペナルティっていうやつだね」


先生は思い出したかのようにそういう。


「ハァー…まぁ言わなかったことに関してはいいですが、こういう時に鎧はどうやって戻ってこさせればいいんですか?」


「それはステータスにチュートリアルがあるから、又の機会にでも聞いておいてくれ…と。時間だ」


「じゃ、今日は終わりですか?」


「そうだね…明日の日程はメールで伝えるから後で見ておいてくれ」


そう言って先生は青い粒子に包まれて消えていく。


「…というか鎧。お前って今回はどうやって帰ってきたの?」


「ああ…あの人が全部殲滅しましたね」


「…先生やべぇじゃんか」


深淵に触ったような気がしながら俺はさっきのチュートリアルを確認し、鎧を回帰状態にさせてログアウトするのであった。

蜂の羽だけを切り落とす案は、前にどっかであの仮面ライダー1号である本郷さんこと藤岡弘さんが、ナイフで蜂の羽だけを切り落として気絶させたというエピソードを聞いたことがあったからです。

これってどこで言ってたんだっけ…


ちなみにチュートリアルに関しては端折りましたが、簡単に言うとデザイアの収納と解放みたいなもんで、名称は回帰と降臨です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ