未知に満ちる地上 空ゆくものは足掬われん
イベント開始当日。今日からリアルタイムで7日間。ログインログアウト自由でイベントが開催される。
イベント中の初ログインで参加の是非を問われ、参加者は7日間特別フィールドに送られる。
俺はもちろん参加だが…先生はどうやら非参加のようだ。理由は聞かなかったけれど。
「さてと…ルールはどんな感じだ…?」
ルールは公平をきすため当日開催直前に発表される。前回のイベントで超デカい徒党を組んでた奴らがいたらしいのが原因だそうだ。
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イベント詳細
ルール
1 イベントフィールド上ではFFがオンとなる
2 イベントフィールド上では経験値が通常の2倍となる
3 全体に対して1体のみ強力なエネミーが存在。基本的には徘徊を行う。
4 フィールドには特定のメダルが配置され、それを取得することが今イベントの目的。
5 基本的にはリポップするが、一部の特別なメダルはリポップが行われない。
6 メダルは種類に応じてポイントが振り分けられ、ポイントはイベント終了後に一覧より交換可能。
7 四回目の死亡でイベントから強制排出。
8 悪質な付き纏い行為の禁止
以上のルールに加え、ゲーム上での禁止事項を除くすべての行動はここでは許容される。カルマ値も増えないこのフィールドで、存分に楽しんでいただきたい。
fromデザイア・オンライン運営
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「んー、緩くないか?」
圧倒的に緩い。規制が緩すぎるし、前回の徒党から何を学んだんだって言いたくなる規制だ。
イベント以降少しプレイヤーが減ったってのも分かるかもな。
「まぁ何にせよ、やるしかないんだ」
俺はスポーン地点である石室を後にするのであった。
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石室から出てすぐ、俺は襲われた。
「はっはっは!出待ちってやつだぜ!」
最も、その奇襲も大声でほぼ全て無駄になっているわけだが。
ナイフで槍の一閃を防ぐと、一撃で耐久値が終わり破壊される。
「…くそッ」
「ハッハッハッァー!崩れたようだなぁ!」
「チィッ!」
笑う槍使いの顔面に拳をそのまま叩き込めば、「ゲフッ」という呻き声と共に1メートルほど飛んでいく。
「やるなぁ!お前!」
「まぁ、な。天空で装備整えたんだ。このくらい出来なきゃってやつだ」
「んー、天空組かぁ…地上もいいんだぜ?結構よ」
そう言って槍使いは槍を取り替え、その間に俺も直剣を腰から抜く。
「直剣ねぇ…純粋剣士タイプか?」
「当たり。と言いたいとこだが、体術も自信があるんでねっと!」
初激から剣とは逆の拳を握り水月を殴る。
「おっと!胴は鎖帷子着てるんで効かないぜ!」
が、槍使いが言う通り金属的感触とともに拳は防がれる。
「地上だってまだ探索しきれてねーんだ。そんな状態で天空なんて行ったってよぉ…」
槍使いは明らかな間合いの外で槍を振るう。
「足元掬われるぜ。って話よなぁ」
その言葉が聞こえた時、俺の首は切られていた。