春よ来い
春よ来い
雨が降る
枯れ枝に膨らんできた小豆色の蕾の先から
水晶のような雨だれがキラキラとこぼれる落ちる
冬は思い出したのだ
もうすぐ去らなければいけないことを
もう少しだけ・・・そう思いながら
落ちた雫の下に蠢く命の鼓動を聞く
大地から枝へ、枝から大地へ
ヨーヨーのように行ったり来たりする小鳥たち
囀る声が温まりたいと思っている大気を振動させ
春の気配がみなぎる
待っているその期待と喜び
窓際に並ぶ桜草やシクラメン
いつの間にか止んだ雨
あったかくほかほかのお日様
はーるよ来い
どの季節よりも春が好き。秋になったらもう春が恋しい。春にはついつい心の思いを何遍も描いてしまう。