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忘れた頃に帰ってくる

 守谷から相談を受けた週の週末。全ての準備を終えた俺はエデン・ヒストリアにログインし、作戦を決行する時を待っていた。


 方法はシンプルに。昼間のうちに侵入し、ルートを確認。暗くなったら、守谷を助け出して一緒に脱出する。


 守谷をルナーミアから脱走させた時点で今回の依頼はほぼ完了だ。目標がシンプルな分、あまり綿密に計画を立てるより臨機応変に対応した方が多分上手くいく。




「上手くやれよ」


「わかってる。帰りも頼んだ」


 ルナーミアにはウォーグが送ってくれた。おかげで移動時間が大幅に短縮できたし、守谷を一時的に工房で匿ってくれる約束までしてくれた。


 危険な作戦だというのに準備から何まで手伝ったくれたウォーグには感謝しかない。


「それじゃ、頑張れよ」


「ああ、行ってくる」


 さて、今の俺の見た目は鳥系統の獣人といった感じだ。鳥系統の獣人の伝統的な装備をウォーグが見繕ってくれた。顔にはジラさんからもらったバーディアン・フルフェイスを装備し、匂いを誤魔化す香水?みたいなものもつけている。


 下手に会話をすると異界人とバレかねないということでウォーグたちが会話用の紙を用意してくれた。声が出せず、耳も悪い獣人という設定を押し通せ、とのことだった。なんでかはわからないが、ウォーグの提案だから採用した。


 獣王国ルナーミアは想像していた以上に大きく、派手だった。旧大陸の王国に負けず劣らずの立派さだ。国の内部へと通じる唯一の門を多くの人が通っている。


 さて……上手くいくか……?






 あれ?何も声をかけられない。案外上手くいくもんだな。運が良かったのかもしれないが、まあいい。暗くなるまで情報を集めよう。











「はい。おそらく異界人が侵入しました。予定通りです」


「そうか。奴の態度が少し変わったから何かあると思ったが……。外部から救援を求めたか」


「いかがなさいますか?」


「監視は続けろ。最終的には拘束して労働力にする」


「わかりました」











 さて、誰から話を聞いたものか……。というか、中に入ってからやたらと嫌な予感がする……。なんというか……既視感を感じる。


 あの商店の人に話を聞くか。会話?を始めるために近づくと、商店の店主らしき人物が来店の挨拶をこちらにしてくる。




「縺?i縺」縺励c縺!」




 あ……、これか……。失念していたわけじゃない。他の言語体系が存在しているから、再発の可能性はあるだろうと。


 ただジラさんたちとは普通に会話できていたこと、他の準備で忙しかったこと。これらが重なりすっかり頭から抜けていた。


 「獣人語」が存在する可能性を。


 以前みたいにプレイに支障が出るほど制限がかかるわけではないが、それでもこの国にいる間、守谷以外とは会話が成立しないだろう。


 要するに――――――






――――――異端者のデメリットが多少優しくなって帰ってきた……。






 さて、店主には申し訳ないが、そもそもなんて言っているか聞き取れないんじゃどうしようもない。ウォーグが心配してたのはこれか……?だから紙を渡したのか。


 さて、会話による情報収集がほぼ不可能になった今、脱走経路の確認と獣人語の習得ぐらいしかやれることがない。


 ひとまず経路を確認したら、獣人語をできるだけ覚えようか……。









 さて、だんだん暗くなってきたな。獣人語、まだ習得はできていないが、人類語とは全く違う体系を持っていて面白かった。人類語と比べて、野生的?というか直感的にわかりやすい感じがした。


 国の建築物や服装も王国というか旧大陸とは全く異なる様式だった。他の種族も独自の文化を持っているのだろう。いつか行ってみたいな。他の種族は友好的な種族だといいんだが……。


 よし、いい時間だ。そろそろ行動を開始するか。

総合評価1500pまで後少し……!


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