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突然の依頼

3章プロローグということで今回は短め

 レイド戦が終わり、新しいエリアが解放された。正式な呼び名はわからず、プレイヤーたちの間では「新大陸」と呼ばれている。


 早く新大陸に俺も行きたいところだが、「エデン・ヒストリア」という名を冠する本に書かれたあの文がどうしても気になり、まだ足を運べていない。


 ウォーグに話を聞きたいのに、最近はどこかに出かけているのか工房に行っても会えずにいる。


 ある程度の予想はある。断片的に読めた内容的に多分、あの世界の歴史。それもプレイヤーが来る前の話だ。


 俺だけが読めたのはウォーグが以前言っていた「翻訳機能」とやらの不具合が俺だけ生じているからだろう。


 翻訳機能が他のプレイヤー達の認識を阻害している、というが俺の予想。


 俺が断片的にしか読めない理由もある程度は察せられる。




 「人類」語があるなら多分他の言語も存在する。




 俺は人類語しか知らないから断片的にしか読むことができなかったのだろう。他の言語を探すのが今後の目標になりそうだ。


 そんなことを考えている大学の昼休み。突然声をかけられる。


「持月、今大丈夫か?」


「ああ。何か用か?」


 声をかけてきたのは守谷悟という同級生。守谷もエデン・ヒストリアをやっているらしく、その関係で仲良くなった。


「ちょっと相談したいことがあってな」


「相談?」


「エデン・ヒストリアの話なんだが……、新大陸ってあるだろ?俺、今そこにいるんだけどさ――――――」




「――――――捕まってるから助けてくれない?」


「は?」

三界戦線 其の九

少し加筆修正しました。


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