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三界戦線 其の九

アークナイツの新情報、良かったですね。

 姿を変えた空兵龍SOL改め三界兵龍SOL。3体が歪ではあるが融合したことで、3体が持っていたそれぞれを技を同時に使用して攻撃をしてくる。


「やばくない?」


 MPは多少回復したとはいえ、十分ではない。というかあの爆撃を回避しながら接近して攻撃を与えらえる自信はない。みょーさん、後はツバキさんだっけ?あの人達も攻撃を仕掛けているのが見えるが有効打になっていない。


 陸海の部分はおそらく完全に死んでいて生きている空の部分があの巨体を制御しているんだろう。必死に上半身を守っているのはわかる。しかし、上半身へ向けて攻撃を仕掛けてもそれを肉塊と変わりない右腕が遮る。あの右腕、斬られてもまたすぐにくっついてしまうせいでキリがない。


 すぐに修復されてはいるが、その修復が無理やり糸で縫い合わせただけのようなかなり雑な修復なので、繰り返すごとに体は脆くなっている。それならいつか勝てるかもしれないが、絶え間なく降り注ぐ攻撃が少しずつ、しかし確実にプレイヤーを倒していく。


「どうする……?」


 空兵龍SOLは既につけられた傷を他の2体の体で無理やりつなぎ合わせることで延命している感じだろう。あの胸の傷に攻撃を与えられれば何とかなるか?とはいえ相手もそれを理解しているのか胸部は特にガチガチに防御を固めている。今の俺にあの爆撃を抜けて、本体に致命傷を与えるだけの力は……ないな……。


「止めは刺せそうにさせそうにないが、あいつを削るぐらいならまだいけるな」


 なけなしのMPでグローリー・エンハンスを発動して、少しでもダメージを与えるべく駆けだす。小回りの利く鐘鴉双刃に武器を変え、爆撃を回避しながらひたすら相手の足元から攻撃を仕掛け続ける。とりあえずこいつをこの場に抑え込まなきゃならない。SOLが少しずつ前進している。このままズルズルと前進を許せば間違いなく街にも被害が出かねない。


「あっぶな……!」


 無差別爆撃に巻き込まれそうになり、一度SOLから距離を取った先、同じくSOLに苦戦している様子のリオンさんがいた。


「苦戦してます?」


「見ればわかるだろ。防御がちょっと邪魔だな」


 SOLの防御は硬く、的確に致命傷だけは回避し続けている。ダメージが一切与えられていないなんてことはないだろうが、相手のHPを削りきるには今のペースだと時間がかかってしまうだろう。


「はあ……。あれしかないか……」


「何かあるんですか?」


「まあな。あ、そうだ、準備する間私を守るの手伝ってくれ。うちのメンバーにも頼んであるが人数は多い方がいい」


「わかりました。こっちのメンバーにも伝えときます」


 さて、承諾こそしたがどうしたものか……。まあやるだけやってやるさ。


 武器を朧とBT-01の2つに変更してSOLの攻撃を迎撃するべく武器を構える。




 こちらへ向かってくる弾をBT-01の弾丸で事前に撃ち落とす。間に合いそうにない場合は朧の分身を攻撃の軌道上に出して攻撃を受けさせる。レーザーばかりはどうしようもないから他の人に任せている。適材適所だ。対応可能な攻撃をひたすら捌いていく。


 空兵龍SOLとして地上でリオンさんと戦闘した時に一方的にやられたのがよっぽど悔しかったのか。自分のことを一方的に攻め立てるほどの実力を持つリオンさんを警戒したのか。あるいはその両方か。真偽は定かではないが明らかにあっちを狙っているような気がする。他にはみょーさん、ツバキさん辺りも狙われてるっぽいな。


「あと少し……」


 さっきから準備とやらをしているリオンさんなんだが、見た目がすごいことになっている。両腕は見たことのない形態に変化し、大量の魔法陣が腕の周りに発生している。後、翼と尻尾も生えている。そして、それをスタビライザーのようにして体を支えながら、ひたすら何かをチャージしている。


 あと少しなら何とかなるな。魔力炉心があるとはいえ、MPの回復量は消費量を上回るほどではない。MPに余裕はないし、回復アイテムだって有限だ。時間をかけた出された切り札とやらを避けられたら勝敗は一気に怪しくなる。


 俺は幻霧、フラッシュ・リペアみたいな相手の目を奪う技をいくつか所持しているがこれは他のプレイヤーにも迷惑をかけかねないし使えない。そこは他のプレイヤーに任せるしかないな。


 そんなことを考えながらひたすら攻撃を弾き続け、ついにその時が訪れる。




「よし、全員どいてろ」




 リオンの腕の周りに展開された無数の魔法陣が1か所に集まり、重なる。




龍雷之(ドラゴライトニング)咆哮(・ロア)




 重なった魔法陣からは赤黒い雷が迸り、極大の光が放たれる。龍雷之咆哮は防御のために展開された弾幕も装甲も無視してSOLへと迫る。用意したほぼ全ての防御を貫通して自身に迫る攻撃。それを防ぐべくSOLは自身の翼を分離して盾とし、右腕を攻撃を防ぐべく前へと突き出す。




 翼の盾は突如として現れた剣の神によって細切れにされる。




 右の剛腕は魔導の王が放った魔術によって生まれた鎖に引っ張られ盾としての役割を失う。






 そして、全ての障壁を乗り越え三界兵龍SOLの本体、空兵龍SOLに龍雷之咆哮が届き、その身を焼き尽くす。






『フェーズ3終了』


『三界兵龍SOLが撃破されました』

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