三界戦線 其の二
皆さま、お久しぶりです。
更新遅れてしまい申し訳ありません。
ようやく時間に余裕ができたので、ここから更新増やしていけたらと思います。
突然の揺れに多くのプレイヤーが足を奪われる。
「地震……?」
この揺れは今交戦中の2体のSOLの攻撃によるものではないはずだ。となれば、どこかにいるとは思っていた3体目のSOLの攻撃によるものだろう。AOMの数が減ってきて、プレイヤー達が少し油断したところにこの攻撃か……。
「フッ……!」
飛びかかってきた狼型のAOMを純白の剣を振るい迎撃する。
「ちっ……」
地面が揺れ、うまく踏ん張れなかったことで、攻撃を防げはしたもののこちらも少し後ずさってしまった。しかし揺れはかなり落ち着いてきた。今度はしっかりと踏み込み、一閃。AOMの体を両断する。
AOMの数も減ったし、3人と合流しよう――――――
「ッ……!」
背後から振りかぶられた剣による攻撃になんとか反応し、防ぐことに成功する。そこにはAOM達と同じような灰色の装甲を全身に持つ人型の異形がいた。
俺より一回りぐらい大きいか?パワーは相手の方が上だ。相手の剣を押し返すのは難しいな。
相手の攻撃を流し、距離を取る。相手の頭上に浮かぶ名は「腐兵将GOS」。騎士のような風貌をしているがその顔は異形のものである。そして目を引くのは右腕と一体化している巨大な剣だ。
「あんなのさっきまでいなかったよな……」
周りを見れば何体かGOSの姿が見える。よく見ればこいつもAOMと同じように何種類かいるっぽいな……。俺に攻撃してきた奴は右腕が剣の個体だが、他にも槍を持った個体や右腕が丸ごと銃のようになっている個体の姿が見える。
「さっさと倒すか……」
全身を覆う装甲の色と右手の大剣の色は同じだから、おそらくその硬さも同じとみていいだろう。全身が装甲に覆われているGOSだが、動きを阻害しないように関節部は装甲が薄くなっている。そこなら確実にダメージを与えられるだろう。
純白の剣を構え直し、走り出す。接近してきた敵に対してGOSは右手の剣を振るう。真上から迫るGOSの大剣を横へ飛び、回避する。振り下ろされた大剣は地面に埋まり、GOSの動きが止まる。振り下ろされた右腕、そのひじの装甲が薄い部分を狙い、純白の剣を振るう。しかし、GOSは空いている左腕を払い、こちらの攻撃を妨害してくる。バックステップで左腕の攻撃を回避する。
「体が大きい割に素早いな……」
どれだけいい装備をしていたって、中身のVITはあまり高くないから相変わらず一度の攻撃が致命傷になりかねない以上、攻撃を受けるのは得策じゃない。
接近してきたGOSがこちらの首を目掛けて剣を振るう。それをしゃがんで避け、その体制のまま足元の肌がむき出しの箇所を斬りつける。斬られた個所からは血のようなエフェクトが溢れ出す。
「ちょっと硬いが、装甲がない部分に攻撃は通るな」
しっかりとした隙ができれば首を斬ってそれで終わりにできるんだけどな……。AOMは首を斬り落とすだけで撃破が可能だった。名前にAOM同様「腐兵」と名につくGOSも首を斬り落とすだけで撃破できる可能性は高いだろう。
「時間をかけるつもりはないんでな」
インベントリから朧を取り出し装備。スキルの効果を可能な限り乗せて地面を蹴る。突然跳ね上がったこちらの速度にGOSは反応できず立ち尽くしている。GOSの横を高速で通りすぎ、一気に背後へ。そして体を捻り跳躍、回転しながら相手の頭部へ近づく。回転の勢いにスキル「斬首忍刀」の効果を乗せ、一閃。装甲が薄い首へ朧の刃は吸い込まれ、その首を斬り落とす。
「よし。3人の位置は……」
あたりを見回すとそれらしい人影が見える。メイとかは戦い方もかなりわかりやすいからすぐに見つけられたな――――――
「――――――危なっ」
目の前を弾丸が通りすぎていく。撃ってきたのは他のGOSだ。GOSに関して色々疑問がある。まず、どこから発生したのか。AOMのように海から這い出てきたようではないし、地面から出てきたわけでもなさそうだ。そして、なぜ俺を執拗に狙っているのかだ。近くにいるGOSがさっきからやたらとこっちに向かってくる。周りにもプレイヤーは何人かいたのにそっちを無視してだ。気のせいならそれでいいが、どうも俺ばかり狙われているような気がしてならない。
「あ……」
さて、1つ目の疑問は解消されたな。少し離れたところにいるAOMの体が膨れ上がっていくのが見える。なるほど……。AOMが進化した感じか。にしても――――――
「気持ち悪い光景だな……」
AOMの数はどんどん減らしていかないと後が大変そうだな。さて、ひとまずさっきから狙撃してくるGOSを倒すか。朧も悪くないが、鍾鴉双刃の方があの装甲には有効そうだし、こっちにするか。
武器を変更。朧をインベントリにしまい、鍾鴉双刃を取り出し装備する。
「ん?」
武器を変えた途端に攻撃対象が変わった……?さっきまで執拗にこっちを狙っていたのに急に興味を失ったように他のプレイヤーを攻撃しだした。近くにいた近接武器持ちは変わらずこっち目掛けて攻撃してくるが狙撃が来なくなった。
「とりあえずチャンスだな。さっさとここから離れよう」
近接武器持ちのGOSはそれほど素早くない。全力で走ればすぐに引き離せるだろう。3人はもう合流してるみたいだし、急ごう。にしてもなんで急に狙撃が来なくなったんだ?
「お待たせ」
なんとか合流できたな。GOSの攻撃は変わらず飛んではくるが4人なら対応可能だな。
「こっからどう動く?」
「そうだね……」
「ツバキ、うちらはどうする?」
「海の方に行きましょうか。地上の方はみょーくんやリオンちゃんがなんとかしてくれるでしょうし」
「どうします、リーダー?なんとなくはわかりますけど」
「流石みょーくんだ。僕たちは斬る以外の戦い方を知らないからね。まあ、陸兵龍一択だろうね」
「ですよね。じゃあ行きますか」
「えーっと?ツバキが海で、みょーが陸……ってことは?空の相手は私がやれってことか……」
「僕たち4人とも海の中の敵に有効打はないだろうから、戦うなら陸か空のSOLのどっちかかな?」
「でもあんな上空にいる敵に攻撃する手段もないし……」
「戦うなら陸兵龍かしら?」
3人の言うことは最もだ。海の中にいるであろう3体目のSOLと上空で爆撃してくる空兵龍に対して俺たち4人に有効な攻撃手段はないかもしれない。だが、俺の提案は――――――
「空兵龍、落とさない?」
デッドプール&ウルヴァリン、良かったですね。
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