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いざ山登り

「こちらです……」


 シューガは怒ると怖いんだよなぁ……。


「初めまして、シューガです」


「初めまして。焔だ」


 さてと、後の話は2人に任せておこう。新武器にすっかり夢中になってたが、これから素材集めのために山登ったり、そのまんま街まで移動したりと忙しいんでな。しっかりと持ち物に不足がないか確認せねば。









 よし準備は万端だ。寒冷対策のポーションなんてのもあるらしいので全員分買っておいた。寒冷地用の防具とかを用意する必要があったらもっとお金がかかったんだろうか?


「お待たせ」


「お、話は終わったか?」


「ああ」


「これからお世話になるよ。改めて、焔だ。よろしく」


「ああ、よろしく」


「ヨミちゃんとメイさんにも挨拶しなきゃね」


 ちゃん付けか。昨日仲良くなったのか?メンバーの仲がいいことはいいことだ。


「さて、そろそろ行こうか」


「そうだな。焔は?この後どうするんだ?」


「リオンさんと一緒に向かうよ。レイド戦のサポートは任せてくれたまえ」


「ああ、頼りにしてる」


「ふふ、じゃあまた今度」


「ああ」


「今後ともよろしく、焔さん」


 よし、出発だ。目指すは極光山。ヨミとメイは先に向かっているからまずは2人に追いつくことからだな。






「はあ、はあ。追いついた……」


「あら、遅かったじゃない」


「2人ともお疲れ」


「2人が、思っていたより、速いペースで、進んでいて、驚いたよ……」


「シューガ、大丈夫か?」


「あ、うん。もうちょっと待って」


 結構な距離を走ったからこんだけ疲れるのも納得だ。俺とシューガで疲れ方が違うのはスタミナのステータスの差もあるんだろうな。


「とはいえ、ここからが本番だぞ」


「そうだね……。山登りなんていつ以来だろう?」


「あー、ヨミはいつだか富士山登ったって言ってたっけな」


「うん。大変だったよ……」


「山登りといってもある程度道は舗装されているからそんなに疲れないんじゃないかしら」


「どうだろうな。傾斜が無いわけじゃないし、モンスターだって出る。まあゲームに現実の価値観を持ち込んだってどこまで信用できるかって話だよな」


「目的のモンスターが出るのは山頂付近だったよね?よし、もう大丈夫。行こう」


「無理すんなよ。最悪1人でもできるから」


「大丈夫だって」


「わかったよ。行こう」




「そういえばクランに新しいメンバーが入ったそうね」


「ん?ああ、焔っていう鍛治師だ。腕は俺が保証するし、いいやつだよ」


「うん。焔は良い子だよ……うん……」


「ヨミ?その不安になる言い方は何?」


「えーと、その……」


「昨日、何かあったのか?」


「装備について相談したんだけどね、ヨミさんは可愛いんだからもっと装備のデザインにも拘るべきって言われて色んな装備を試させられたんだよね。その時の熱量がすごくて」


 うーん。確かに俺の武器を見てる時もテンション高そうだったし、装備関連の話になるとテンションが上がるのか、はたまた可愛い女の子を目にしてテンションが上がったのか。真相はわからないが、まあーーーーーー


「悪いやつじゃないのは確かだよ、多分」


「顔合わせが少し不安になってきたわ」


「大丈夫だろ。メイド服着てるメイも十分濃いキャラしてると思うぞ」


「否定できないのが悔しいわ」


「ほら、3人とも切り替えて。モンスターだ」


「よし、俺に任せろ」


 真っ直ぐに突進してくる鳥系モンスター。白鳥のような白い体に長い首。名前は……っと、名前を確認してる余裕はなさそうだ。


 腰に携えた鬼牙に手をかけ、こちらも走り出し相手に接近する。接触する直前、体を低くして相手の真下へと潜り込む。上半身を反転させれば目の前にあるのは無防備な胴体だ。そこへ向かって鞘から抜刀した鬼牙を振り抜く。胴体からそのまま長い首へ向かって相手を斬っていく。


「頼んだ!」


「任せなさい」


「わかった!」


 体に傷を負ったことでバランスを崩すモンスターへ一振りの剣とナイフが振るわれ、その首が宙を舞う。体を制御する頭脳が切り離されたことで姿勢を制御することができず、首なしの体は勢いを落とし地面へと落下し、ポリゴンへと変わる。


「ナイスアタック」


「ええ、もちろん」


 さて、さっさと素材を拾って進もう。







「さて、山頂付近だ」


「はあ、はあ。疲れた……」


「シューガは少し休んでろ」


 山頂付近は流石に空気が薄い。それが反映されているのかはわからないがやはり体に違和感があるというかなんというか。まあそんなことを気にしている暇はない。





「さて、あれが目当てのモンスターだ」


 目線の先には一体の鳥型のモンスターが優雅に飛んでいる。その全身は道中で何度も戦ったモンスターと同じく白い羽で覆われている。見た目はカラスとかそこら辺の鳥を大きくしたような見た目だが、それ以上に目を引くのは頭頂部と翼から溢れ出る光のオーラだ。


 光来鳥グロリアス


 ウォーグ曰く、光来する鳥にして光雷を操る鳥型モンスター。極光山の山頂付近に生息するこのモンスターは滅多に地上に降りることはないらしく、そこから光来鳥と呼ばれるようになったのだとか。


 あの光のオーラの用途は様々。強く発光させれば目眩しになり、狙いを定めて解放すれば雷のように敵を攻撃する。そして、全身に流せば筋肉を活性化させてその力を高めるのだそうだ。


 筋肉を活性化させる、これがウォーグの目当ての効果らしい。これを使って全体的なステータスアップを図ろうとのことだ。狙いはもう一つ。


 グロリアスの光は自身の魔力を変換して生まれているらしいんだが燃費が悪いらしい。それを補うための魔力炉心なるものがグロリアスには存在するらしい。


 今回の目当ての素材は羽と炉心、あの光を生み出す器官だ。炉心と光を生み出す器官、確か名前は製光臓だったかな?あれは言わずもがな、グロリアスの羽は自身にかかる様々な負荷に耐えるために進化した結果、かなり良質な素材らしいのだ。


 まあここまで長々と説明したが要するにだ。





「お前らの素材ありったけもらってくから覚悟しろよ?」

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