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今日の予定は未定

 さて、ウォーグと装備について話した翌日。素材集めの件もあるので早速王国へ向かうのだが、今回の旅路も一人で進むのではなく、シューガ達とパーティを組んで進むことになった。ただこれまでと違い、今の街から王国までの道のりでは関門となるボスモンスターが存在しないらしいのだ。エリアのヌシのようなモンスターはいるのだが、関門となるモンスターはいない。ので、特に苦戦することなく、このゲームにおける現状一番大きな国、アヴァロニカ王国へと到着した。軽い気持ちで「誰が一番最初に王国に着くか競争しよう」なんて提案したら死人が出たんだが……、うん。その話はやめておこう。あれは酷い事件だった……。




「こっからどうする?」


「うーん、とりあえず全員のタスクを整理しようか」


「了解。俺は装備の素材集めにこっからもう少し先のところに用があるけど、がっつり集めるつもりだから、ゴールデンウイークの頭までは特に用事はないかな」


「私も装備の点検くらいかしら。ヨミは?」


「うーん。今のところは特にない、かな?」


「そうか……。ゴールデンウイーク最終日がボス戦だから……、その前日までに近くの街に行くとして……。ひとまずは自由行動にしようか」


「わかった。素材集めは手伝ってもらっていいか?」


「僕は構わないよ」


「私も大丈夫」


「いいわよ。私も素材集めが必要な時は手伝ってもらうわよ?」


「もちろん。じゃあ、また詳しいことは連絡するわ」


「よし、せっかくだしアヴァロニカ王国を散策しようか」






 プレイヤーが活動している場所は、始まりの街がある小さな島とそこから連なる大きな島「本大陸」の2つだ。アヴァロニカ王国はその大きな島の中心部に存在している。本大陸は巨大な山脈によって二分割されており、初のレイドボス戦が行われる場所へは山を登るか王国を経由するほかにない。レイドボスに参加するにしろ、参加しないにしろ、より強いモンスターや装備を求めるのであれば必然的にプレイヤーたちは山の向こうへと行かなければならず、大陸の中心に位置しているため、多くの物資が流れてくるだけでなく、移動の面でもかなり便利なことからここを拠点に活動するプレイヤーやクランも多い。故にこのアヴァロニカ王国はプレイヤーたちがまず目指すべき場所として多くの攻略サイトで紹介されている重要スポットだ。






 ひとまず、みんなで散策した後、少し自由行動ということで今は一人で街をプラプラと歩いている。とはいえ、本当に大きな国だ。飲食店やら装備を売る店やら、とにかく色んな店がある。しっかりと探せばなんだってありそうだ。残念なことがあるとすれば――――――






 例の大会のせいで、それなりに人の目を引くことだろうか。


 話しかけてくるプレイヤーは今のところいないんだが、それでも視線は絶えず感じている。うーん、嫌な予感がする。


 今日、明日は王国で準備をして、そこから2日間で装備を整えてボスが出るところまで移動して、ボス戦、と。大学の課題はしっかりと進める必要があるが、そこはまあ4人もいれば何とかできるだろう。ひとまずやっておきたいことは……、特になさそうだな……。装備はウォーグに基本頼りっきりだし……。アイテムを買いそろえるのも後で、みんなで行くって言ってたしなぁ……。


「あ、そうだ。城を見に行こう」


 ここは王国なので当然城もある。それもかなり立派なのが。中に入れるプレイヤーは限られてはいるものの分かり易いランドマークとして待ち合わせなんかにはよく使われているらしい。建築系に熱を入れているプレイヤー曰く、「あの城はヤバイ」とのこと。使われている素材がとにかく高価らしい。


 そういえば、クランハウスみたいなのを用意したいって話も上がってたっけな。金銭の問題については俺とメイの大会の報酬があるから何とかなりそうなんだけど、おそらくボスの撃破で解放されるであろう新マップもあるし、まだその計画は大して進んでいない。


 後、今のまま行けばこのクランは身内団になりそうなんだが、せっかくなら他の人との交流も増やしたいと思う自分もいる。シファはクランにもう入ったって言ってたし、メンバーは募集すればすぐに集まりそうな気もするんだが、誰でも歓迎というわけにもいかないのが難しいところである。大学の他の友達にもエデン・ヒストリアをやっているっていう人はいるんだが、あっちはあっちで友人とクランをもう作っているらしく、合併しようと提案するのは気が引けるしな。まあ、そこらへんはおいおい考えていけばいいだろう。


「おお……。でかいな……」


 色々考えている間も歩き続けていたので気づけば、城は目の前だ。


「はあ……、ここに王族が住んでるのか……。どんな感じなんだろうな……」


 王族なんてのは間違いなく重要な立ち位置だろう。それは政治やら何やらの側面はもちろん、ストーリーにおいてもだ。現状わかっているのは、王族の血を継ぐものだけに与えられる特殊な職業やら武器やらがあるってことぐらいか?考察勢が確かそこら辺の情報をまとめていた気がするので暇な時にでも確認してみるのも悪くないかもしれない。


 それにしてもここに入れるプレイヤーたちはいったいどんなことをしたらそんな許可が下りるのだろうか。そういうクエストとかがあるんだろうか?ん?クエスト……、あ……。


「王国にいる間に傭兵関連進めるか?」


 それはすっかり忘れていた俺のメイン職業。ひとまず武器への適性がほとんどの武器に適応されているという理由だけで選んだ傭兵だったわけだが……。確か、ギルドがあってそこに登録をすると依頼を受けれるようになるんだったかな?


「つってもなあ……。このまんま傭兵系を使い続けるとも限らないし……。うーん……」


 メイみたいにユニークジョブでも手に入れたら間違いなくそれがメインになるだろうし、武器も剣系統でだいぶ統一されてきている。剣以外だと銃系統が手持ちの武器ではあるんだが、あれに関しては威力よりも牽制とかそっちの用途だから特に補正が欲しいわけでもない。


「とりあえず、集合場所に戻るか」


 悩んでいても仕方ない。集合時間もあるし、一度戻ってシューガ辺りにアドバイスでも貰おう。

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