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エデン・ヒストリア 〜言語習得から始まるゲーム攻略〜  作者: ラー油
異端者は舞い降り、世界を駆ける
28/79

準備開始

 メイとの戦った翌日、ウォーグの工房を訪れた俺の用事は装備についての相談だ。


「なるほどな……。武闘大会か……、楽しそうじゃねぇか」


「狙うは優勝だ。そのためにも新しい装備が欲しい」


「任せな。それで今どんな素材を持ってる」


「ロックァード・クロウの素材とかかな」


「ロックァード・クロウか、なかなかいい素材じゃねえか。使うなら武器だな。どんなのが欲しい?」


 武器か……。剣系に関しては純白の剣、ラスティ・ホワイト、幻霧刀「朧」と3本もあるわけだが……。そうだなぁ……、ロックァード・クロウの性質……、振動……、あ……。


「双剣は?」


「いい線ついてるな、お前さん。俺も特に指定がなければそれにするつもりだったぜ」


 なぜ、双剣なのか?俺が持つロックァード・クロウの素材は爪と鐘羽という素材だ。で、この鐘羽というのがあの振動を生み出していたのだが、あの振動をうまく武器にすれば強いのではないか?ということだ。そして双剣であればおそらく――――――


「共振みたいな感じで振動を増やせるんじゃないか?」


「そこに気づくとは、やるな。その通りだ。あいつの素材を上手く使えばそういう武器になるぜ。他にはあるか?」


 他に……か。手持ちの素材にめぼしいものはない。オボロの一件ですっかり影が薄くなっていたボアード・クロウの素材も、頼まれて取りに行ったのに結局使ってないな。


 大会で勝ちに行くならもう少し初見殺しできそうなのが欲しい。ロックァード・クロウはエリアボスだから、あいつの素材で作った武器もすぐに能力はバレそうだしなぁ……。あ、いいのがあったわ。




 それは初めてこの工房を訪れた時に見かけた武器。一部のプレイヤーが求めて止まないその武器。ウォーグはガラクタと評したが、間違いなく初見殺し性能は高いはずだ。




「なあ、あの銃使っていいか?」


「あれか?まあ俺には必要ないもんだし好きにしな」


「ありがとう。試し撃ちしていいか?」


「ああ、この前と同じところで頼むぜ」






 別にこのゲームに銃が存在していないわけではないのだが、現在確認されているのはマスケット銃、火縄銃とかそんな感じの現代的でないものばかりだったらしい。装填の手間、銃弾の費用などから不遇扱いされている武器、それが銃なのだが俺が手に持っているこいつ、BT-01という名のハンドガンは銃を使うプレイヤーたちが求める現代寄りの銃だ。しかも弾は魔力消費による装填という銃使いのプレイヤーが喉から手が出るほどに欲しいはずの武器。


「うーん、ハンドガンだから威力は控えめか……」


 試し撃ちした感じだと牽制としては役立ちそうだが、これ一本でやり合えるかというと微妙なイメージだ。ウォーグ曰く、滅んだ人類の武器。モンスターの力を宿した今の武器の方が強いに決まっているとのことだが、そこで一つ案がある。


「なあ、これモンスターの素材で強化できないかな?」


「なるほどなぁ……、試したことはねぇがありかもな」


「やってみてくれないか?」


「わかった。大会まではまだ時間があるんだろ?それまでにはなんとか形にしてみるぜ」


「助かる。そういえばアクセサリーも頼みたいんだけど」


 朧を手にしたことでMPの需要が爆上がりしたわけだが、MPに割けるほどステータスポイントに余裕があるわけでもない。そこでアクセサリーだ。できれば総量を増やしつつ回復速度を上げられるとベストだな。


「わかった。魔力を増やすアクセサリーか……。簡単なので良けりゃあ作るぜ」


「お、助かる。素材は?」


「こいつだな。一狩り行って来てくれや」


 ウィンドウに表示された素材を確認する。これ次のエリアのモンスターの素材か。


「わかった。武器の素材は渡してから行くよ」




 ウォーグに素材を渡し、イルスに戻る。誰かログインしてたらついて来てもらおうかな。フレンドリストを見ると――――――


「ヨミがログインしてるのか……」


 そういえばロックァード・クロウ戦のあの天使っぽいエフェクトについて聞いてないな。ちょうどいいや、誘ってみよう。




 フレンド同士のチャットで素材集めに誘ったら了承してもらったので2人で次の街までのエリア、マジカ森林へやってきた。ここは魔法系モンスターが多いらしい。MP系のアクセサリーの素材になるモンスターがいるのも納得だ。


「素材集めに付き合ってくれてありがとう」


「ううん、いいよ。シューガくんは今日はログインしてないみたいだし、メイは1人で特訓してるみたいで1人だったから。誘ってくれてありがとう」


「ヨミは大会でないんだよな」


「うん、対人戦はまだ慣れないね。それに人もたくさんいるみたいだし……」


「それなら仕方ないな。応援頼むよ」


「任せて、いっぱい応援するよ」


「お、目当てのモンスターだ」


 マジカグールとな。杖を持ってるから死んだ魔法使いの成れの果てとかそんな感じなのか?


「よし、行こうか」


「うん」


 横を見ればヨミに前にも見た天使を彷彿とさせるエフェクトが発生している。


「その天使みたいなエフェクトは?」


「あ、これ?これはね……」


 さて、ヨミが教えてくれたこのエフェクトの正体は、「大天使の加護」というものらしい。選んだ出身・出自が加護授かりし者であるヨミは、ランダム選ばれる加護でこれを引き当てたらしい。戦闘時に加護を発動することであのエフェクトが発生し、STR、VIT、LUKが上昇するらしい。


「めっちゃ良くない?それ」


「そうだね、すごく便利だよ。夜火くんも加護をゲットできるといいね」


 加護、ねぇ。この世界に存在しているらしい神やら天使やら悪魔やらから貰えるらしい「加護」。基本的には時間制限ありのバフってイメージらしい。未だ確認されていない加護の上の段階になると時間制限もなくなるのではと言われているらしいけど、まだ加護を与えてくれそうな存在とは遭遇してないしなぁ。そのうち取れればいいんだが。


「さて、気を取り直して行こうか」


「うん!」


 そのあとは聖騎士であるヨミがグール系にめっぽう強かったこともあって素材はすぐに集まった。そのあとは盛り上がってひたすらモンスターを倒して一緒にレベル上げをして、その日はログアウトした。

ラブコメ要素も入れていけたらいいなと思ってはいるんですけど、展開がなかなか思いつかないんですよね。

とりあえずヒロイン候補のヨミさんです。出番はどんどん増やしていきたい。

あとは掲示板回を大会開戦前に入れたいですね。

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