1人より大人数の方が強いに決まってる
更新時間バラバラですいません。
「いい加減先の街に行かないと怒られるしなぁ……。さっさとエリアボス倒して次の街に行こう」
事前にメッセージアプリで連絡をとったところ、みんなは次の街で待ってくれているらしい。速攻でエリアボスを倒してしまおう。
「じゃあ、俺は先の街に行くよ」
「ああ。ここにはどの街からでも来れる。新しい装備が必要になったとき、装備の修繕が必要なとき、いつでもここに来てくれ」
「わかった。今度ともよろしくな、ウォーグ」
「おう。よろしくな、夜火」
そうしてウォーグの工房を後にした俺は、エリアボスを倒して次の街へ向かうため、妖獣魔竹林へと向かった。
「霧がないだけでほんとに歩きやすいな」
視界が明快なだけでかなり戦闘の難易度も変わってくる。オボロ戦を経てステータスも大幅に強化された今、ここのモンスター達では相手にならない。特に苦戦することなくエリアの奥へと進んでいく。
「よし、エリアボスのところまでついたな」
エリアボス戦が幻霧刀「朧」の初陣だ。装備を変更し、準備は万端。いざ、エリアボス戦。
妖獣魔竹林のボスは「大悪鬼・鬼哭丸」という鬼だ。全身は赤く、イメージ通りの鬼って感じの見た目をしている。だが、鬼哭丸の体を周囲を浮遊する青白い炎のようなものが目につく。鬼哭……、名前の通りならあれは死者の魂とかそんな感じだろうか。
「人を待たせてるんだ、あんまし時間はかけれないからな。速攻で決めさせてもらうぜ」
オボロ戦の時のように、首を切り落してしまえばほぼ確実に倒せるだろう。基本的には腕の振り下ろしと踏みつけが主な攻撃だが、どちらも巨大な体の割に素早いということはなく、避けるのは容易い。後ろに回り込んで切りつけているだけでも勝てそうだが、エリアボスがそんな簡単に倒せるはずがないのはよく知っている。
「グオオオオ!!!」
鬼哭丸の周辺に浮かんでいた炎が飛んでくる。一度避けても追尾してくる炎。当たれば厄介なのは間違いない。追尾してくる炎をどう対処するか。あの炎がどういう原理で俺を追っているのかは知らないが、こっちは最高の身代わりがある。
「朧影「此岸」!」
俺の目線の先、追尾してくる炎から俺を守るように生み出された分身が代わりに炎に包まれる。分身のステータスも確認できるので見てみると、炎による継続ダメージに加えてステータス低下のデバブがかかっている。もう一度飛ばされても厄介だし、さっさと決着をつけるためにも出し惜しみせずガンガン行こう。
「幻霧!」
朧の能力によって発生した霧は、鬼哭丸が俺の姿を見つけるのを困難にする。
ここまで何度か斬りつけたが、筋肉のせいか傷をつけることはできても、完全に斬り落とすのはなかなか大変だろう。MPを全て使いフィールド全面に広がった霧のおかげですぐに見つかって攻撃されることはないだろうから、MPをアイテムで回復し、朧影「此岸」によって実体のある分身を大量に生み出し続ける。この分身、数に制限はないようでMPさえあればどれだけでも生み出さそうだ。出しすぎたら見つかるだろうし、10体程度にしておく。さて、10人も俺がいればあっという間に体力を減らせるだろ。
「いくぞ、分身軍団」
「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」
うーん、一度に自分の声が9人分も聞こえてくるのはなかなかない経験だ。まあいい、とにかく今はあいつを倒すこと集中しよう。こっちは霧の影響もほとんどないので、こちらの出方を伺っている鬼哭丸に接近し、全員で攻撃を仕掛けていく。
本体である俺は遠くから離れて高みの見物、なんてことはせず相手の裏に回って以前のように空中ジャンプして高度をあげていく。さっきの炎を受けた分身はその時点で解除し、すぐに新しいのに変えているので問題なし。まさにゾンビ軍団だ。
さて、鬼哭丸の頭付近まで近づいたので攻撃系スキルをフル稼働させ、頭のてっぺんから一刀両断するように切りつけていく。
いい感じにダメージを食らって怒っている様子の鬼哭丸だが、分身に翻弄され本体である俺はノーダメージだし、実体のない分身、朧影「彼岸」を使ってさらに相手を混乱させていく。攻撃しても際限なく現れるだけでなく、攻撃が当たらないやつも現れたことで相手が混乱しているのがよくわかる。
さて、仕上げといこう。分身たちがダイナマイト・ブーストで心臓付近まで近づき、一斉に朧を突き刺す。心臓に刀が刺さりさらに苦しみ出す鬼哭丸。分身たちは武器を変えさらに攻撃を続ける。
「頼む!上まで飛ばしてくれ!」
分身は基本AIによるオート操作だが、俺の指示は聞いてくれるし、要所要所で思考操作に切り替えているので連携に問題はない。
「来い!」
近くにいた分身が体の前で手を結ぶ。その腕を踏み台にして思いっきりジャンプ。再び鬼哭丸の顔の前まで接近。攻撃系スキルを全て使い、刀を握る腕に力を込める。そして、全力で振るわれた朧は鬼哭丸の頭を斬り裂き、その命を刈り取った。
『大悪鬼 鬼哭丸を撃破しました。次の街へ移動できるようになりました』
「速攻……とまではいかなかったけど、苦戦せず倒せたしよしとしよう」
さて、分身たちは任意ですぐに消せるので街へ移動する前に消しておいて……っと。秀我たちは街の噴水の前にいるらしい。エリアボスも倒したし、急いで向かうとしよう。
小説を書くというのが初めてでまだまだ手探りの状態ですが今後ともよろしくお願いします。
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