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エデン・ヒストリア 〜言語習得から始まるゲーム攻略〜  作者: ラー油
異端者は舞い降り、世界を駆ける
20/79

戦果の確認

「あのユニークモンスターは仕込んだのか?」


 シートナに戻り、ウォーグの工房へテレポートした俺は早速ウォーグに尋ねる。


「仕込んではいないぜ。あそこにいるのは知ってたがな」


 やっぱり意図的にあいつと戦わせたのか。


「俺を試すためか?」


「ああ、悪かったな。とはいえ無事に戻ってきたってことは倒したんだろ?」


「なんとかな。レベルがもっと高かったら負けてただろうけどな」


「だろうな。さて、早速だが素材を見せてくれるか?」


「ほんとに早速だな……」


 そう言いつつ、インベントリからオボロの素材を取り出す。



「さて、ユニークモンスターと呼ばれるモンスター、その素材から作られる装備に興味はねえか?」





 ユニークモンスターから作られる装備はそのモンスターが持っていた能力の影響を強く受ける。素材となったモンスターが強ければ強いほど、その装備の性能もより強くなる。特徴的なのは――――




 ユニークモンスターの性質を強く受け継ぐことができるのは1つの装備に限るという点だ。




 初めに生み出された装備には、ユニークモンスターの能力の全てが宿る。その次に生み出された装備は素材の性質に応じた能力しか得ることができない。




 というのが、ウォーグの説明だ。オボロの場合は「霧」と「分身」、この2つの能力が付与されるそうだ。問題はどの装備にこれらの能力を与えるかということだ。武器と防具のどちらに付与しても十分に効果を発揮できる能力ゆえ、かなりの選択肢がある。


「選択肢多すぎない?」


「それは能力の問題だな。で、どうするんだ?」


 うーん、悩む。ただ今後も装備していくことを考えるとなあ……。防具を選んだとしても一式全部に能力が付与されるわけではなく一か所にしか能力は付かないそうだし、オボロの素材自体は特出した能力があるわけではないらしいので、ここで防具一式を作ってもそのうち使わなくなる未来が見える。防具を選んだら装備を更新したときに能力を使うために一か所だけオボロの装備、みたいになって統一感がなくなりそうだし……。


「うーん、武器、かなぁ……」


「わかったぜ。で、どの武器にするんだ?」


「そこなんだよなあ……」


「そうだな……、お前さん刀はどんぐらい扱える?」


「刀?まあそれなりに使えると思うけど」


 これでも一応高校は剣道をやっていたのだ。まあモンスターと戦うのに剣道なんか参考にしたって意味ないと思っているので、特に剣道の動きを立ち回りに取り入れるってことはしていないが。


「なら刀にしよう。刀は様々な攻撃スキルが適応される武器だから腐ることはないはずだ」


 スキルにも色々あるらしく、「○○流剣術」みたいな感じで剣術もスキルになっているらしい。この世界にもいくつかそういうスキルがあり、刀なら通常の攻撃系スキルだけでなく、剣術系スキルにも基本的に全て対応しているらしい。


 後、鞘があるからという強みがあるそうだ。確かに純白の剣(レフコース)やラスティ・ホワイトには鞘がない。だが、刀は基本鞘の存在を前提として作られるそうだ。鞘があるメリットは2つ。抜刀攻撃ができるという点と、手に持たなくても装備状態となり、その能力を使用できるという点。武器は基本手に持つことで装備状態となり、その効果を使えるようになる。だが刀カテゴリーの武器は鞘に納め腰にぶら下げているだけでも装備状態となる。ステータス的には装備している状態なので、腰に刀をぶら下げ、両手に別の武器を持ったところで手に持っている武器のどちらかは効果を使えず、計3本の武器の効果を全て使うということはできないそうだが。


「刀か……、いいな」


「よし、じゃあ刀で決まりだな。余った素材はどうする?」


「アクセサリーとかにできる?装備は今のやつで十分な気もするし」


「わかった。そうだな……、明日には完成させておくぜ」


「早いな。俺はいったん街に行ってそのまま今日は寝ることにするよ」


「おう」


 明日は学校だし、さっさとアイテム補充して寝よう。










 翌日、ショッピングモールに行った後、オボロと戦ったことを秀我たちに報告する。


「ユニークモンスターと戦った?」


「ああ、幻魔龍オボロってやつ」


「ほら、やっぱりね」


「ほんとに戦ってたね」


 オボロと戦ったことを聞いた美夜と冥が驚いている。なんで?


 というか―――


「やっぱりって?」


「あなたがユニークモンスターと戦って合流が遅れるって話をしてたのよ」


「あー、それで本当に戦ってたから驚いたと。なかなか合流できなくて悪いな。鍛冶師からの依頼も終わったし急いで向かうよ。どこまで進んでる?」


「今はシートナにいるなら……2つ先の街だね。そこからもう1つ先の街が大会の会場だ」


「了解。さっさと追いつくよ」


「クランは合流してから作るんだよね?」


「ああ。燈夜が合流したらすぐに作ろう」


 もともと4人でクランを作ろうという話だったが、俺が「異端者」のせいでフレンド登録すらできなかったため、先延ばしになっていたのだ。4人でエデン・ヒストリアを遊ぶっていう約束のためにも、急いで追いつかないとな。




 そのあとは講義を受けて帰宅し、ログイン。ウォーグの工房へと向かった。

本日の更新はここまでです。新参者ですが来年もよろしくお願いします。

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