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エデン・ヒストリア 〜言語習得から始まるゲーム攻略〜  作者: ラー油
異端者は舞い降り、世界を駆ける
16/79

幻霧の中に龍を見ゆ 其の一

 素材集めを経た今の俺のレベルは36。ステータスはこんな感じ。


―――――――――――――――――

PN:夜火

Lv:36

職業【メイン】:傭兵

職業【サブ】:剣士

加護:なし

HP:100

MP:20

STM:70

STR:35

VIT:10

AGI:55

INT:10

DEX:60

LUK:25


スキル

・アクロバットステップ

・ダイナマイト・ブースト

・連刃

・ダイナマイト・オーラ

・技巧剣舞

・風魔脚

・アサシンズソード

・スタンナックル


装備

右手:純白の剣(レフコース)(ATK:25)

左手:ラスティ・ホワイト(ATK:30)

頭:なし

胴:ゲイルアーマー(DEF:40)

手:岩石鉄拳(DEF:35)

腰:クリアホワイトコイル(DEF:25)

足:ストームロックグリーヴ(DEF:30)

アクセサリー:なし

アクセサリー:なし

アクセサリー:なし

アクセサリー:なし

アクセサリー:なし

―――――――――――――――――


 装備の更新はないが、ステータスとスキルは更新された。特に、「カウンター」と「テクニカル・アタック」が混ざって生まれたであろうスキル「技巧剣舞」はDEXを参照するダメージ増加効果とパリィ成功率上昇効果を持つスキルで、動きに制限がなくなり自由度が高くなった。他のスキルもいい感じだ。


 肝心な相手のレベルはいくつなのかというと―――


「―――レベル50か……」


 ユニークモンスターは基本的に上級プレイヤーでも勝てないことがあると言われるほどであるが、その理由の一つに圧倒的なレベルがある。このゲーム、現状プレイヤーのレベルの最大値は100なのだがユニークモンスターの中にはその100を超すモンスターもいる。基本高レベルであるはずのユニークモンスターにも関わらずこれだけレベルが低いのはなぜだ?


 ピコン!と、クエスト内容更新の通知音が鳴る。



『ユニーククエスト:鍛治師ウォーグからの依頼』

 幻魔龍オボロの討伐 0/1



「そういうことか……」


 なぜレベルが低いのか。その理由はおそらく、この幻魔龍オボロがユニーククエストに組み込まれた存在で、今の俺にちょうどいい難易度に意図的にレベルが調整された結果、本来よりもレベルが低くなっているのだろう。つまりこのレベルであれば今の俺に倒せる可能性があるとシステムが判断したということだ。


 まあ、別にレベル差がどれだけあっても逃げるつもりはないが。とにかくこいつは絶対に倒して俺の装備の素材になってもらう。これは決定事項だ。


「さて、どんな攻撃を仕掛けくる……?」


 見た目からわかる情報は四足歩行の龍であるということ。首は長くないが、尻尾はそれなりの長さだ。羽は生えていないので空を飛ぶということもないだろう。見た目からわかることはこれだけだが、問題は固有能力の方だ。幻魔、オボロという単語から推測するにあの霧はこいつの仕業で間違いないだろうが、他の能力があるかもしれない。


「―――ッ!」


 先に攻撃を仕掛けてきたのはあっちだった。前足の鋭利な爪で攻撃してくる。後ろに飛んで攻撃を回避し、追撃に備えるが追撃はない様子。今度はこっちから接近する。全力でダッシュして相手の懐に潜り込み、右手の純白の剣(レフコース)をしまう。


 さて、ここで岩石鉄拳の出番だ。岩なのか石なのか鉄なのかよくわからない名前のこの防具はパンチによるダメージを増やしてくれる。エンハンスからオーラへと進化したスキル「ダイナマイト・オーラ」、そしてパンチによる眩暈の発生率を上げるスキル「スタンナックル」の合わせ技をくらえ。


「ッ……オラッ!」


 顎目掛けてアッパーをかます。「ダイナマイト・オーラ」へと進化したことでステータスだけでなく武器の攻撃力にも補正が乗るようになったが、それだけではない。


「ギギャアアアア!?」


 相手の顎で爆発が起きる。そう、ダメージを与えた時に爆発が起きるようになったのだ。まあ自分にもダメージが入るから使い所は選ぶ必要があるけどな。顎で発生した爆発とスタンナックルの効果によって幻魔龍オボロが眩暈状態になる。眩暈状態は頭部に強い衝撃を与えることで発生しやすく、しばらくの間その場から動けなくなる状態異常だ。ちなみに今おんなじように顎を殴っても眩暈状態の時間が長くなるなんてことはない。検証したからわかるが、眩暈状態にするのに必要な衝撃は眩暈状態にするたびに増えていった。


「早速チャンス到来だ!」


 急所を探しながら両手に装備した剣で切り付けていく。


「よ……っと」


 眩暈状態が終わったことで攻撃を仕掛けてくるがそれも難なく回避。こいつ、スピード自体は疾風の大風狼と大差ない。ステータスが上がった今、回避するのに苦労はしない。がーーー


「さっさとお前の能力を出せよ」


 そう、相手はまだ能力を一切使っていない。ユニークモンスターだけが持つ固有能力が何なのかわからない今の状況で全力を出すのは得策ではないだろう。


「ほっ、よっ」


 相手の攻撃は基本爪による引っ掻き、あとは尻尾を振り回す攻撃だ。基本戦術は疾風の大風狼戦と変わらない。避けて攻撃、加速してチャンスを作り攻撃、この2つの繰り返しだ。しばらく続けていれば相手の体力も減っていく。そして何もできないまま自分の体力が減り続ければ相手も―――



 ―――能力を使わざるを得なくなる。



 オボロの体から霧が発生し、視界を悪くする。これによって俺は相手の姿を捉えにくくなった。オボロは霧の中に身を潜める。


「ようやく使ったか。やっぱ霧はお前の能力で合ってるか」


 ユニークモンスターという割には普通の能力な気もする。


「さあて、ここからが本番だ」

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