表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/169

九十八話

季節も進み、新年を迎えた。

城でもそのお祝いで必要最低限の見張りを残し宴会が設けられていた。

普段からよくつくしてくれる使用人に兵士、騎士は身分を問わず酒を片手に騒いでいる。

それを眺めながら母親であるマリアンヌとお茶を飲んでいた。

未成年であるシュバルツはお酒を飲めないし、妊婦であるマリアンヌもお酒を口にするわけにはいかないからだ。

祖父であるオグワールもそれに付き合っておりゆったりとした時間を過ごす。

「お前達がもうきて半年も過ぎたか・・・。時が進むのは早いな」

「義父様にはすっかりよくしてもらって」

「本当ならシュタイナーと過ごしたいだろうに・・・。すまんな」

他の妃達との縁談を決めた一部はオグワールも関わっている。

付き合いやら何やらで断れない類ばかりだった。

だが、その結果としてマリアンヌやシュバルツは命を狙われることになった。

関係にヒビを入れてでもそういった者との縁談は断るべきだったと思っている。

命を守る為とは言え、避難を余儀なくされたシュバルツとマリアンヌに申し訳なかった。

「お爺様。せっかくのお祝いの席なのですから」

「そうじゃの・・・」

シュバルツは聡い子だ。

たまに、大人を相手にしているようなそんな違和感がある。

それでもたまに失敗をして周囲をあわあわさせることもある。

この間も錬金術を学んでいて爆発させたりしていた。

怪我をしていなくてほっとした。

肝心の本人はおかしいなぁとか言っていた。

何でも風邪が流行っているので風邪薬を作っていたらしい。

それで何故爆発するのかは本当に謎だったが・・・。

その後もめげずに風邪薬の開発をしていた。

風邪薬は無事に完成し治験という形で貧民街に配られた。

正直、助かった面もある。

シュバルツの開発した風邪薬はよく効いたのだ。

あのまま風邪が広まれば統治に影響が出ていたのは間違いない。

こっそり食べ物なんかも配っていたようだ。

その食べ物がどこから出てきたのは怖くて聞けなかった。

シュバルツの恩恵の効果らしいというのは間違いないがシュタイナーが口止めをしているようだ。

信用されていないという見方もできるが特殊すぎるケースの場合それぐらい徹底したほうがいいだろう。

なので、シュバルツがどういった恩恵を持っているのかは極少数しか知らない。

母親であるマリアンヌも知らないと言っていた。

シュバルツを敵視している者が知ったら間違いなく強硬な手段で排除に動くだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ