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歩くだけで最強?僕の恩恵がカウンターだった。  作者: 髙龍


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八十九話

シュバルツ達は今日も異空間での修行に精を出していた。

コボルト平原にてコボルトを狩る。

遠吠えを阻止しようとするものの今のところその成功率は0パーセントだ。

周囲からわらわらと集まってくるコボルトを倒し続ける。

シュバルツは結局、アイテムボックスのランクをG+(Gプラス)にあげることを決めた。

マジックバックが手に入らないかオグワールに相談したのだがクロイツェン公爵家にとっても貴重な品であり、これ以上は難しいと言われたのだ。

その為、入手する為には資金を貯めて買うか、迷宮で入手するしかなかった。

今のところ迷宮では出る気配がない。

そうなると資金を貯めて買うしかないわけだが手持ちの額では足りない。

そうなってくるとシュバルツのアイテムボックスのランクを上げるのが一番手っ取り早い。

3人も納得しており、休憩を挟みつつコボルト平原を周回していた。

そのおかげもあり恩恵ポイントは順調に溜まっている。

最近ではミミとシズノも魔法を覚えようと休憩時間にフランと共に練習をしている。

フランは騎士であり威力は弱いが風と火の魔法が使えた。

魔法の基礎というのはどの属性でも同じである為、教えるのに問題はないようだ。

3人が魔法の練習をしている間、シュバルツは錬金術で回復薬を作ったり鍛冶場に行って剣を鍛えている。

それぞれに充実した日々を送っているが現実世界のことを考えて1回の滞在期間は最大で1週間と決めている。

それでもたまに自分が何をしていたのか忘れたということが起きるがそれぞれがフォローしあって何とかなっていた。

現実世界では2,3日迷宮にこもり冒険者組合で換金する。

いつものように酒場で飲み物を飲んでいる仲間のところに向かうと話しかけられた。

「あの・・・。シュバルツ様」

「んっ・・・?カインじゃない。どうしたの?」

「おかげで妹の体調がよくなったんだ。本当にありがとう」

「それはよかった」

シュバルツとしても気にはなっていたので無事に回復したと聞いて安心した。

「そうだ。これあげるよ」

シュバルツはさつまいもを入れた袋をアイテムボックスから取り出してカインに渡す。

「これは・・・」

「蒸かして食べるといいよ。栄養もあるからね」

「何から何までありがとう。この恩義は忘れないからな」

カインはそう言って笑顔を浮かべながらさつまいもの入った袋を大事そうに抱えながら冒険者組合を出て行った。

元気なその姿を見て自分も頑張らないとなと気合を入れるのだった。

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