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八十六話

いつものように解体所でドロップ品を納め票を受け取り受付に並ぶ。

全員で並ぶのも非効率である為、3人には併設されている酒場で待ってもらう。

順番はすぐに回ってきた。

「お待たせしました。次の方」

「お願いします」

シュバルツは票を受付に渡し受付が戻ってくるのを待つ。

ふと、隣を見れば10歳ぐらいの男の子が手続きをしていた。

報酬なのだろう硬貨を数枚受け取っている。

そこにシュバルツを担当していた受付が戻ってくる。

「お待たせしました」

今回も報酬は革袋に入れられ運ばれてきた。

「おい。なんであいつはあんなに受け取っているんだ。俺より餓鬼なのにおかしいじゃないか」

男の子は納得いかないと騒ぎだす。

「駆け出しのGランクとあの方では扱いが違うに決まってるでしょ」

男の子はまだ冒険者組合に登録したばかりのようだ。

下手に関わって問題に巻き込まれるわけにもいかない。

シュバルツは報酬を受け取り酒場に向かい皆と合流する。

「お待たせしました」

「お疲れ様です。シュバルツ様。ところで、後ろの少年はなんですか?」

気配探知を持っているシュバルツは当然気づいていたがあえて無視をしていた。

「おい。お前・・・」

「はぁ・・・。何か御用ですか?」

「お前みたいな餓鬼がまともに仕事できるわけない。どういった手品だ」

「僕はこれでもEランク冒険者です。迷宮に皆で挑んだ結果ですよ」

「はは~ん。お前は雑用係なんだな」

「どうしてそうなるんですか・・・」

シュバルツは正直、相手にするのがめんどくさくなっている。

この手のタイプは思い込みで物を言い、相手の言動など受け入れない。

子供であればなおさらだ。

「シュバルツ様。必要であれば処理しますが?」

「いいよ。家の名誉を傷つけたくない」

公爵家の一員であるシュバルツに暴言を吐いたのだ。

それを理由に罰することはできる。

だが、それではダメなのだ。

放置するのも得策とは言えない。

「君、そんなに自信があるなら僕と模擬戦しないかな?」

シュバルツは少年にそう提案する。

「やってやる。後で泣きついても知らないからな」

シュバルツはそれを見て溜息を心の中で吐いた。

冒険者組合の組員に事情を話し、地下に案内してもらう。

冒険者組合の地下には訓練や昇級試験の為に戦闘のできるスペースが設けられている。

少年は迷わず木刀を持ちブンブン振っている。

シュバルツはその様子から少年の実力を把握した。

正直、早くも帰りたくなっていた。

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