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七十六話

迷宮にばかり行っていてはダメだということで本日は休日である。

3人は気になっているお店があるとのことで早々に出かけて行った。

シュバルツはこの機会に街を巡ってみようと城を出た。

護衛の騎士2人がついてきたがそれは仕方ない。

「いかがされますか?」

護衛の騎士の1人が声をかけてくる。

「そうだなぁ・・・。武器屋にでも行ってみようかな」

今、ある武器で特に困ることもないのだが興味本位だ。

「そういうことならお勧めのお店があります」

「教えてください」

「かしこまりました」

騎士の1人が先導する形で街を歩いていく。

ずいぶん外れの方まで来たがあちらこちらからカンカンと鉄を叩く音が響いていた。

この辺りは鍛冶屋が多いのだろう。

「このお店です」

周囲の店より外見は劣るようだがそんなことは関係ない。

肝心なのは武器の質だ。

扉を開けばカランコロンと音がする。

「お客さんかい?」

「こちらの方が武器を見たいとおっしゃってな」

「なんだい。まだ、餓鬼じゃないか」

「おい。口の聞き方に気をつけろ。この方はな・・・」

シュバルツは明るい顔でそれを遮った。

「まぁまぁ。僕が子供なのは事実ですから」

「ふん。まぁ、適当に見ていきなよ」

どうやら接客する気はないようだ。

こんな調子でやっていけるのか心配になるがシュバルツが気にしても仕方ないだろう。

店には剣はもちろんのこと槍や斧、鞭なども置いてある。

シュバルツは興味深そうにそれらを眺める。

雑に置かれた武器を眺めつつ適当に鑑定していく。

どれも品質は問題ないがその中で1つ気になる剣を見つけた。

「これは・・・」

「ちょいとお客さん。その剣はやめときな」

シュバルツが鑑定すると次のように出た。




聖剣(封印状態) 主と認めていない者が触れた場合魂を汚染する。

シュバルツは迷うことなくその剣を鞘から抜いてみる。

周囲から音が消える。

心に何かを訴えかけてくるものがある。

この剣の意志だろうか。

気が付けば無数の剣が刺さった荒野にいた。

立派な剣などもあるがそれらは全て偽物だ

シュバルツはそれらを一瞥し折れた剣を拾う。

折れた剣は先ほど見た剣に姿を変える。

シュバルツは現実世界で剣を抜いた姿で固まっていた。

「お客さん。お客さん」

「あぁ。すみません。この剣を頂けますか?」

「こんな呪われた剣・・・。本当にいいんですか?」

「えぇ。運命のようなものを感じました」

シュバルツは代金を支払い無事、聖剣を手に入れた。

呪われた剣と呼ばれていたらしく代金は恐ろしく安かった。

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