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七十五話

女性陣の活躍もありオーク村の探索はハイペースで進んだ。

今は3人を見送り修行部屋でリストを眺めているところだ。

「どうしたにゃ?」

「いや、そろそろ次の区画を開放しようと思ってね」

「にゃら、お勧めはコボルト平原かワームの森。それと牛蛙の沼にゃ」

「ん~。どれも魅力的だけど・・・」

シュバルツは魔物図鑑を手に悩んでいた。

この魔物図鑑は勿論、恩恵ポイントを使って購入したものだ。

「よし、決めたワームの森にするよ」

「その心は?」

「繭を集めて織物をするのも悪くないかなって」

「まぁ・・・。苦労するのはシュバルツにゃ。自由にするといいのにゃ」

シュバルツは早速、ワームの森を開放して足を運んだ。

ワームの森では人より巨大な芋虫があちらこちらにいる。

強さはそれほどでもなくサクサクと討伐していく。

ドロップ品は繭と魔石、そしてワーム肉だった。

正直、ワーム肉は食べたくないが一応回収しておく。

アイテムボックスがいっぱいになるまでワームの森をまわり修行部屋へと戻ってきた。

「お帰りにゃ」

「ただいま」

「工房区画にお手伝いの眷属を配置しといたにゃ」

「ありがとう」

シュバルツはそのまま工房区画に入り手伝いをしてくれるというクロの眷属と合流した。

教えてもらいながら繭から絹糸を作り出していく。

全ての繭を絹糸にして次の工程に入る。

織機でシルクを織っていく。

最初は失敗したりもしたがコツを掴むとだんだん楽しくなってくる。

着色は特にしなかったが十分高級感のある物が出来たと思う。

大量にできたシルクは普段お世話になっている人達に送ろうと決めて修行部屋を後にした。



翌日、母であるマリアンヌをはじめ城で働く使用人達。

パーティーメンバーである3人にもシルクをプレゼントした。

皆、喜んでくれてよかったと思う。

が、問題が1つ発生した。

加工する為に職人の元にシルクが預けられたのだが高品質なシルクを見た職人が欲しがるほどであった。

全員、貰い物だからと断ったそうだが気軽く異空間の物を配布するのはやはり厄介ごとを生むのだなと実感した事件だった。




後日、3人とワームの森に入った当初は気持ち悪いと言われたがシルクになると知った3人は積極的にワームを狩っていた。

外に出すと問題になると言うことで工房区画で熱心に加工の仕方を学んでいたのも印象深かった。

シュバルツはそんなに大量に作ってどうするのだろう?と思ったりもしたが藪蛇になりそうなので口に出すことはなかった。

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