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七十二話

この日もシュバルツ達は迷宮に潜り冒険者組合で換金して城への道を歩いていた。

シュバルツは街中である為、すっかり油断していた。

シュバルツはドンと衝撃を受けよろける。

ぶつかった人物はまだ幼い子供だった。

「ごめんなさい・・・」

それだけ言い残しあっという間にいなくなる。

「シュバルツ様。大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫」

幸い、どこにも怪我はない。

「今のは・・・」

「シュバルツ様。何か盗られた物はありませんか?」

「えっ・・・?」

「今の子はスリの可能性があります」

シュバルツは荷物を確認する。

「あっ・・・」

「どうかしましたか?」

「メダルがない」

「メダル?」

「公爵家の一員であるメダルを盗られたみたい」

「それは・・・」

「すぐに追いかけましょう」

幼い子を追いかけてシュバルツ達は走り出した。




「おいおい。今日は何か盗れたのか?」

「これ・・・」

「なんだこのメダル?」

「金じゃねぇのかよ。使えない餓鬼だな」

「でも・・・」

「でもじゃねぇんだよ。金が盗れるまで帰ってくるな」

そう言って男は言い捨てる。

「おやおや。何の騒ぎですか?」

現れたのは仮面をつけた貴婦人だ。

「この餓鬼がよくわからないメダルを盗んできまして・・・」

先ほどまで声を荒げていた男は低姿勢でそういう。

「メダルですか・・・?少し見せてください」

「これです」

「これは・・・。困ったことになりましたね」

「困った・・・?」

「これを持っていたのは幼い男の子ではありませんでしたか?」

「そうです・・・。鴨だと思って狙ったんです」

「そこの貴方、すぐに近くを探して小さい男の子を連れた女性3人を探してきてください」

「へい」

仮面の貴婦人の指示で近くにいた男がすぐに飛び出していく。

「旦那。これはなんなんですか?」

「公爵家の一員であることを示すメダルです」

「公爵家?なら、悪用すれば・・・」

「それはダメです。公爵家が本気で敵にまわれば厄介なことになります」

「お前、なんてことをしやがる」

メダルを盗んできた子供は必死に謝る。

「すみません。すみません」

男は子供を殴ろうとする。

「この子を叱るのは後にしてください」

仮面の貴婦人はこの後の展開を考え溜息をついた。

今ならまだ穏便に済ませることも可能だろう。

幼いながらにシュバルツは賢いはずだ。

この前の借りのこともある。

こんな所で貴重なカードを切るのはもったいないがどうにかなるだろう。

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