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七十一話

シュバルツは3人を見送った後、オーク村を周回していた。

3人のおかげで恩恵ポイントの溜まるペースは速くなった。

だが、本来であれば使う恩恵ポイントは自分が貯めなければならない。

それにミミとシズノに追いつかれたくないという理由もある。

子供のような拘りだが、2人より強くありたかった。




シュバルツが修行部屋で休んでいるとクロがよってくる。

「頑張るにゃね」

「2人を見てると頑張らないといけないなと思ってね」

「ふぅ~ん。男の子にゃね」

からかいの言葉であるがシュバルツの心にグサリと刺さる。

好いてくれる相手にかっこをつけたい。

男心は複雑なのだ。

「そういえば、調味料とかは作れないかな?」

「工房区画を拡張するにゃ。人員の方はこっちから眷属を出すにゃ」

シュバルツは工房区画を迷わず拡張する。

頭の中に何が出来るのか情報が流れてくる。

これで味噌や醤油にお酒などが造れるようになった。

手に入らない調味料は恩恵ポイントを使ってもいいだろう。

それぐらいの余裕はある。

農場区画では稲の育成も進んでおり倉庫には米の備蓄もある。

久々に日本食というのもよいだろう。

前世では貧しい家庭に生まれた。

父親は毎日のように残業で母親も仕事をいくつも掛け持ちしており1人で過ごすことが多かった。

食費を浮かせるために常に自炊をしていたので料理はそこそこできる方だ。

今の身分では幼いということもあるが公爵家の子息として料理なんてさせてもらえないだろう。

だが、この空間でなら別だ。

3人に故郷の味を食べてもらうというのも悪くない。

シュバルツは献立を頭の中で組みたてはじめる。

恩恵ポイントで買えるものを見ながら作れそうな物を具体的に考える。

3人の前で失敗はしたくない。

そういうわけで実際に作ってみることにした。

料理をしようと思えば調理器具も必要でそれらも恩恵ポイントを使って揃えた。

少し割高に思えたがずっと使えることを考えれば気にならない。

倉庫区画で米と野菜を確保して戻ってくる。

ご飯を鍋で焚き、味噌汁の出汁を取る。

その間に野菜サラダを作る。

いい感じに出汁が取れたので大根、豆腐、わかめを入れ煮込んでいく。

火が通ったのを確認して味噌を溶く。

最後に鮭をフライパンで焼いていく。

匂いに釣られたのかクロが近くで見ていた。

「クロも食べる?」

「いいのかにゃ?」

クロはいつか見た猫耳少女の姿になっており2人で久々の日本食を堪能した。

今の食事に文句はないがやはり故郷の味は素晴らしい・・・。

この感想につきるのだった。

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