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第七話

2週間が経ち魔力を自分で動かすようになってから1か月が経っていた。

努力のおかげか弱弱しかった両腕と両足に魔穴もだいぶ成長した。

「約束通り魔法を教えてあげる。まずはこれに目を通して」

見たこともない文字が羅列されている。

「これは?」

「魔法文字よ。流石に読めないか」

「わかってて渡しましたね」

「ごめんごめん。これが翻訳されたものよ」

そう言って別の紙を渡してくる。

「最初からこっちを渡してくださいよ」

「簡単な魔法なら翻訳されたものでもいいんだけどね。高度な魔法は魔法文字を覚えるしかないのよ」

「そうなんですか・・・」

「まぁ。今はとりあえずこの魔法を使ってみましょうか」

「はい」

魔法文字の勉強は必須のようだが今はとにかく魔法を使ってみたい。

リリーは桶を用意して手をかざす。

「水よ・・・」

そう唱えると手の先から水が溢れてくる。

「結構簡単なんですね」

「ふふ。それはどうかしら?」

シュバルツも手をかざして「水よ・・・」と唱えるが何も起きない。

「あれ?どうして?」

「魔法はイメージが大切なのよ」

今度は水をイメージして「水よ・・・」と唱える。

すると勢いよく水が出て床を水浸しにする。

「うわぁ・・・」

「あらら。これは予想外ね」

「予想外って・・・」

「私のイメージだとちょろっと出るぐらいだったんだけど逆とはね」

「どうしたらいいんですか?」

「さっきも言ったけど魔法はイメージよ。水の量もイメージ次第ね」

「なるほど・・・。練習するしかないんですね」

「その通り。しばらくは水の魔法の練習を頑張ってね」

「はい」

「そうそう。これも渡しておくわね」

そう言って渡されたのは1冊の本だった。

「これは?」

「魔法文字よ。すぐに必要ってわけではないけど覚えるなら早い方がいいからね」

「しっかり勉強します」

「うんうん。やる気があっていいわね」

それからシュバルツは水魔法の練習を頑張った。

コツを掴んだのか先ほどのような失敗はない。

イメージが大切だと言っていたしイメージだけでも水を出せるのではないだろうか。

試しにやってみる。

水がちょろっと出ただけで止まってしまった。

「ちょっと何やってるのよ」

「無詠唱でも使えるんじゃないかと思って・・・」

「初心者が高度なことしちゃって。賢者の称号持ちでも無詠唱の習得は難しいのに・・・」

「あはは」

笑って誤魔化すしかない。

だが、結果を見れば詠唱を唱える意味はありそうだ。

でも、無詠唱で使えた方が何かと便利そうだ。

「貴方は魔法の才能があるわ。でも、無詠唱が出来ることは黙っていなさい」

「わかりました」

リリーは諦めたのかシュバルツの好きにさせてくれるようだった。

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