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六十九話

「フラン・・・。フランじゃない」

シスター服を着た年配の女性はフランを見て泣き出してしまった。

フランは戸惑ったような顔をしている。

「シスター、アマリ。ご無沙汰しております」

「貴方ったら。お金だけ送って最近は全然顔を出してくれないのだから・・・」

フランは仕事が忙しく顔を出す時間もなかったのだろう。

子供達が戸惑ったような顔をしている。

「こんなところではあれだから入って・・・」

シュバルツはあえて明るく振舞う。

「皆にはお土産があるんだ」

とは言ったものの子供達は反応に困っている。

シュバルツの見た目は幼い。

自分達より幼い奴が何を言っているんだという感じだ。

「あはは。お土産があるのは本当だよ」

「そうそう」

ミミとシズノが助け船を出してくれる。

子供達にお土産の料理を渡すとわーっとお土産に群がっていた。

「気を使わせてごめんなさい」

「いえいえ、フランには普段からお世話になっていますから」

「貴方は・・・?」

「この方は、シュバルツ・フォン・クロイツェン様です。今はこの方に仕えております」

「クロイツェン公爵家の・・・」

「はい。現当主の10男です」

「大変失礼いたしました」

「いえ、お気になさらず。何か困っていることはありませんか?」

「いえ、公爵家からも十分な支援を頂いて・・・。そのおかげで子供達が怪我や病気をしてもなんとかなっております」

「そうですか」

お土産の料理を食べている子供達は元気いっぱいだ。

フランもその様子を見て優しい笑顔を浮かべていた。



お腹が膨れた子がシュバルツの周りに集まってくる。

「おい。おまえ、いい奴だな」

「喜んでもらえたようでよかったです」

「こっちこいよ」

男の子の1人がそんなことを言ってくる。

「ちょっと行ってきますね」

シュバルツはそう断りを入れてから男の子についていく。

連れて行かれたのは庭だった。

「今から、冒険者ごっこだ。お前が魔物役な」

「えっ~。また、僕?たまにはかわってよ」

不満そうな男の子にかわり、シュバルツが立候補する。

「はは。それなら僕が魔物役になりましょう」

「ありがとう」

シュバルツは庭を自由に逃げ回る。

男の子達はそれを追いかけてくる。

男の子達はそれぞれ武器に見立てた物でシュバルツを攻撃してくる。

基本的には避けるがたまにわざと当たってあげたりする。

夕暮れまで冒険者ごっこという名の追いかけっこを楽しんだ。

途中、シスターであるアマリが止めようとしたがシュバルツは気にしていないとこたえたのだった。

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