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六十八話

先日の迷宮での収益もあり、お金に余裕があることから本日は休養日である。

シュバルツはゆっくり過ごそうと考えていたが朝早くからミミとシズノに連れ出される形となった。

そうなってくると護衛であるフランも自然と一緒に行動することになる。

城で十分な食事をしたこともあり食事系の屋台はスルーして小物などが並べられたエリアを歩いている。

ミミとシズノは色々目移りしているようであっちをきたりこっちにきたりとフラフラしている。

シュバルツはフランと共に苦笑いしながら追いかけていた。

今まで買い物をしたくてもお金がなくてそれどころではなかったのだろう。

楽しそうに見て回っている2人を見ていると助けてよかったと思う。

今の2人はどこでにもいる普通の少女だ。

2人は何か買うというよりも色々な物をじっくり見るのが目的だったようで結局何も買わなかった。





お昼となり適当に屋台で食べ物を買う。

シュバルツは前世での子供の頃を思い出していた。

祭りで色々な物を買い少しずつシェアする。

平和な日本では当たり前だったその光景だが、この世界ではそうではなかった。

腹を満たすことが最優先。

色々な物を買う贅沢など裕福な者にしかできない芸当だ。

「シュバルツ様?どうかしましたか?」

「いや、今のこの時間が凄く幸せだなと思って」

「私もそう思います。少し前までの生活ではこんな風に過ごせるなんて思いもしませんでした」

「そういえば、フランの出身の孤児院ってどこにあるの?」

「この近くですが、どうしましたか?」

「いや、せっかくだからお土産を持って行ってみようか」

「よろしいのですか?」

「うん。普段からお世話になっているからね。というわけで、美味しかった物を沢山買ってきてね」

シュバルツはそう言って3人に個人的なお金を渡す。

「シュバルツ様。ありがとうございます」

「余ったらお小遣いにしていいからね」

それだけ言ってシュバルツも買い物をする為に離れた。




全員が買い物を終え、フランの案内で孤児院を目指す。

見た目は手ぶらだがそれぞれアイテムバックやアイテムポーチ。

シュバルツに至ってはアイテムボックスに大量の食べ物を入れての移動である。

「ここが私の出身の孤児院です」

建物は古いがよく手入れされているのがわかる。

近くにいた子供が反応する。

「あっ。フラン姉ちゃんだ」

その声をきっかけにすぐに子供達が集まってくる。

建物の中からシスター服を着た年配の女性も出てきてフラン達を見て驚いていた。

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