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六十五話

「いよいよ迷宮に挑むわけですがここで復習してみましょう」

迷宮へ向かう道すがらフランはそんなことを言ってくる。

「出てくる魔物はスライム、ゴブリン、コバットだよね?」

「はい。その通りです」

「罠もあるけど命にかかわるようなものはないんだっけ?」

「はい。せいぜい落とし穴や小石が降ってくる程度です」

「ずいぶん難易度が低そうだね」

「でも、油断してはいけませんよ」

「大丈夫。僕は罠にかからないから」

「その自信は?」

「罠探知のスキルを持ってるから」

「シュバルツ様って何でも出来るんだね」

「何でもは無理かな。スキルは持ってるけど実際に使うのははじめてだしね」

「他の冒険者が聞いたら嫉妬しますよ?」

魔物の相手は出来ても罠が苦手という冒険者は少なくないようだ。

罠探知を持っていない人は経験で回避したりかかってもリカバリーする必要がある。

話をしているとあっという間に今回潜る迷宮に到着した。

冒険者カードを取り出し警備の人に渡す。

警備の人はランクを確認してすんなり通してくれた。

「さて、さっそく罠がありますね」

シュバルツの目には何の罠かはわからないが赤くなっている部分があった。

「えっ?どこどこ?」

ミミとシズノは注意深く見ているが発見できないようだ。

「わざと発動してみましょうか」

フランはそう言って罠をあえて発動させる。

小石が5個ほど降ってくる。

フランはさっと避けていた。

「本当に罠あったんだ。でも、これなら大丈夫そう」

「この罠はこの迷宮の名物でして、何も知らない初心者がよく引っかかるんですよ」

「フランは何度か来たことがあるんだね」

「はい。衛兵になったばかりのころに訓練で何度か」

「そういうことなら僕とフランはなるべく口を出さないようにしようか」

フランは優秀だから罠の場所を全て知っていそうだ。

シュバルツも罠探知でどこに罠があるのかわかってしまう。

今後のことを考えればここで罠を実際に体験してどう対処するのかミミとシズノには体で覚えてもらいたい。

「わかった。頑張るね」

「頑張る」

罠に警戒しつつ2人は元気よく迷宮内を進む。

特に苦戦するような魔物も出ない。

チュートリアルとしては最適な迷宮だ。

迷宮内にはいくつか安全地帯も存在しており安心して休憩を取れる。

他にも何人か冒険者がいたが特にトラブルが起きるようなこともない。

迷宮内では時間の経過がわかりにくいので注意が必要だが今日からは泊まりがけの探索が認められている。

このまま2,3日迷宮で過ごす予定だった。

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