第六話
リリーから魔法を学び始めて1週間が経った。
「これでどうかしら?」
シュヴァルツは魔力の流れを感じ取る。
以前よりも魔力の流れは速くなり心臓以外にも魔力が溜まっている個所が何か所かある。
その個所は魔穴というらしく多ければ多いほどいいらしい。
今、シュバルツの開いている魔穴は心臓とお腹のあたり。
後は弱弱しいが両腕両足に1か所ずつだ。
「どこに魔穴があるかわかるかしら?」
「心臓とお腹。後、両腕両足に1か所ずつです」
「偉いわ。最初はどうなるか心配だったけど貴方は優秀な方ね」
酷い人だと生涯、心臓の魔穴のみ。
才能のない人だと心臓の魔穴すら感じ取れない人もいるのだという。
「これから1か月は自分で魔力を動かすこと。それが出来たら簡単な魔法を教えてあげる」
「わかりました」
魔力の量は幼いほど伸びると言われている。
恩恵のポイントを稼ぐことも重要だが魔力の量を増やすことも大切だ。
シュバルツは自分で魔力を動かし続けた。
リリーはその様子を真剣な表情で監督している。
魔力の扱いを間違えれば体に支障をきたす場合もある。
その為、初心者は熟達した指導者に指導を仰ぐのが望ましいと言われている。
1時間ほどしてリリーが声をかけてくる。
「今日はこれぐらいにしときましょう」
「ありがとうございました」
リリーにお礼を言ってシュバルツは歩くために運動場に向かう。
最近わかったことではあるが歩数計は走ることでもカウントされる。
だが、まだまだ体力のない現時点では走るよりも歩いた方が効率がよかった。
ちなみに現時点のステータスはこんな感じだ。
STR5
AGI3
VIT3
INT10
DEX2
LUK7
あれからVITの値が1伸びて3となっていた。
恩恵のポイントは今80ぐらいだ。
目標とするポイントまでまだまだだがこの調子で頑張れば期間内に目標を達成できるだろう。
あれから2週間が経ちまたステータスが伸びていた。
STR5
AGI3
VIT5
INT10
DEX2
LUK7
今ではただ歩くのではなく競歩のスピードで動けるようになっている。
そのおかげか恩恵のポイントは大きく伸びて2500ポイントほどになっていた。
シュバルツはぐっすり眠っていて気づいていなかったが父親であるシュタイナーは母であるマリアンヌの元を頻繁に訪ねてきていた。
このままいけば弟か妹が生まれるのも近いかもしれない。