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五十六話

4人で練兵場にやってきた。

フランは訓練用の木剣を持ちミミとシズノと対峙する。

ミミの武器はは短剣が2本。

シズノは槍を構えている。

ミミが素早い動きでフランを牽制し隙を見てシズノが槍を繰り出す。

だが、フランは経験の差から2人を翻弄していた。

30分もするとミミとシズノの動きが悪くなっていく。

体力の限界のようだ。

「そこまで。実際に戦ってみてどうだったかな?」

「2人共、年齢の割に動けています。ただ、我流のせいか無駄なところも多々ありますね」

「後は課題は体力だね」

「そうですね。訓練をきっちり積めばその辺も改善されるでしょう」

ミミとシズノはすっかり意気消沈している。

「1発ぐらいは当てられると思ったのに・・・」

「上には上がいるって知ってたけどここまで差があるなんて・・・」

「2人共。元気出して。一緒に訓練しよう」

「シュバルツ様は鬼だと思うの」

「そうそう」

「はは。愚痴を言えるなら遠慮はいらないね。2人共、走り込みをしようか」

体力をつけるなら走り込みが一番だ。

シュバルツは自分も走り出しながら容赦なくそう指示を出す。

一緒に修練をすることで信頼を少しでも築いていきたい。

その為の労力はいとわない。

フランもそれを見て列の最後尾で走り始めた。




オグワールは執務室からシュバルツ達を見ていた。

「ふむ・・・。仲良くやっておるな」

オグワールの背後に覆面をした人物が現れる。

「ご報告いたします」

「うむ」

「ゴルゴンというのは最近街で高利貸しとして幅を利かせているようです。ただ、後ろ盾が少々厄介かと」

「後ろ盾?」

「はい。暗黒街を仕切る1人で仮面の貴婦人が後ろ盾になっています」

「あやつか・・・。確かにそれは面倒じゃの」

ゴルゴン単体を狙うか?

だが、配下を害されて黙っているような人物でもない。

仮面の貴婦人を排除することは可能だ。

だが、それをしては街の人々に出る影響が大きすぎる。

一般人を巻き込むし、仮に排除しても暗黒街の主導権争いでしばらく血で血を見るような状況になるだろう。

統治者としてそれは望ましくない。

熟考の末、オグワールは決めた。

「悪いが。仮面の貴婦人とコンタクトを取ってくれ」

「わかりました」

覆面の人物はいつの間にか消えていた。

オグワールは深い思考の中に入っていく。

孫であるシュバルツは厄介な事態を持ってきた。

それでも目の中に入れても可愛い孫だ。

どうにかうまい落としどころを見つけねば。

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