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五十話

フランは苦戦することなくグリズリーベアを倒した。

「お疲れ様」

シュバルツはそうフランに声をかける。

「いえ、そちらは?」

「応急処置はしたよ。問題ないと思う」

「あの。助けていただきありがとうございます」

「うん。でも、なんでこんなことに?」

「薬草を採取していたら襲われて・・・」

この場所にいるのだからFランク冒険者のはずだ。

ある程度の経験を積んでいるのだろうが不注意だったのは間違いない。

「魔物には注意しないとね」

「はい・・・。それで、シズノは・・・」

「大丈夫。気を失っているだけだから直に目を覚ますよ」

そろそろ夕暮れだ。

帰りをを急がなければ夜行性の魔物の相手をしなければならないだろう。

「とにかく戻りましょう。彼女は僕が背負っていきますね」

シュバルツはシズノと呼ばれた子を背負い街への道を歩き始めた。




シズノは途中で目を覚ました。

「えっ・・・?どういう状況」

シュバルツの背で暴れようとする。

シュバルツは落とさないように注意する。

「シズノ。貴方は酷い怪我をしたのよ」

「ミミ・・・。ミミも無事だったんだ」

シズノはミミの声で安心したようだった。

「この人達のおかげでね」

「僕はシュバルツです。そちらにいるのがフラン」

「助けてもらってありがとうございます」

「いえ、気にしないでください」

シュバルツとフランは当然のことをしただけでお礼を言われるようなことではない。

だが、2人はそうは取らなかったようだ。

「他の冒険者は敵ばかりだと思ってたわ」

2人の話では獲物の取り合いは当たり前、少女ということもあり嫌な目にもあってきたようだ。

街の門を潜りシュバルツはシズノを降ろす。

「怪我は治しましたが失った血は戻りません。しっかり休んでくださいね」

「本当にありがとうございました」

シュバルツとフランは頭を下げる2人と別れて冒険者組合に向かった。

「シュバルツ様は回復魔法も使えるのですね」

「シスターから教わりました。練習と言って教会に連れて行かれた時はあまりの忙しさに驚きましたね」

この世界では怪我は回復薬を飲むか教会で回復魔法を使ってもらうのが一般的だ。

回復薬は少し高く少しでも安くすませたい人は教会で治療を受ける。

そんなわけで教会には怪我人が大量にやってくるわけだ。

最初は初心者ということで少数の患者を相手にさせられたのだが問題ないとわかると大量の患者を押し付けられた。

そのおかげで回復魔法の熟練度はあがったのだがあの忙しさは思い出したくもない。

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