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三十二話

アルヴァンがきっかけになったのか他の兄妹達とも接する機会が増えてきた。

その一方で気に喰わない人達もいる。

「誰か。この汚い餓鬼をつまみ出しなさい」

そう言って来るのはシュタイナーの奥さんの1人である。

周りの人達が向かってくるが近くにいた騎士達が守るように立ちふさがる。

「貴方達無礼よ」

「無礼なのは貴方の方だ。公爵家の一員として恥ずかしくないんですか?」

このままでは一触即発だ。

そこにシュタイナーがやってくる。

「お前達。何をしている」

騎士達はシュタイナーに敬礼している。

「貴方。こんな子供、捨てるべきよ」

「なんてことを言うんだ。シュバルツは私の子供だ。そんなことなどありえない」

「仮にも国代表する貴族の発言とは思えませんね」

「何が言いたい?」

「蒼い血は蒼い血。貴族の常識でしょう」

本気でこの人はそんなことを思っているのだろう。

極点的な貴族主義という奴だ。

「最近は子供達もこんな汚れとたわむれるようになって・・・。公爵家のお先は真っ暗です」

「未来を作るのは子供達だ。私は子供達を縛る気はない」

どこまで言っても意見は平行線だ。

「ふん。とにかく私は認めませんからね」

それだけいって妃はいってしまった。

「シュバルツすまなかったね」

「いえ、お父様の立場もわかりますから」

貴族の婚姻は基本的に親が決める。

後は必要に迫られてというパターンもあるだろう。

そう言ったケースだと相手の家との関係性もあり中々強く出られない。

シュタイナーは出来ることはしてくれているがこのままでは何か事件がいつ起きてもおかしくなかった。




その日の夜、事件は起きた。

ガシャンと窓ガラスが割れる音がする。

シュバルツはすぐに目を覚まし飛び起きる。

部屋を飛び出しマリアンヌの部屋に急いだ。

今優先すべきなのはマリアンヌの安全だ。

お腹には新たな兄妹もいる。

マリアンヌの部屋についたと同時に侵入者達と鉢合わせした。

全員黒い布で頭を隠し、見るからに怪しげな姿だった。

「お前達は何者だ」

シュバルツはそう言うと同時にアイテムボックスから剣を取り出す。

侵入者たちは答えるつもりはないようで襲いかかってきた。

シュバルツは迷いなく賊を斬り捨てる。

1人やられたことで警戒したのは賊が距離をとる。

警備の者達が駆けつけてくる音がする。

賊は迷うことなく逃げていった。

シュバルツは「ふぅ」っと溜息をつく。

賊とは言え、人を殺めた。

思っていたよりは何も思わなかった。

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