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二十八話

アルシェ姉様にお礼を言って部屋を出る。

「シェリー姉様。今日は付き合ってくれてありがとうございました」

「いいのよ。好きできたんだから。でも、図書室にもまた来てくれると嬉しいわ」

修練の後に新しいレシピを覚える為にアルシェ姉様の元に通おうとしていることは見透かされていたようだ。

「僕は、シェリー姉様と本を読むのも好きですよ」

「気をつけて帰りなさいね」

「はい」





シュバルツは別館に戻る前に修行部屋へと寄った。

「ねぇ。クロ。錬金術工房みたいな施設はどうにかならない?」

「そう言うと思ってたにゃ。でも、専用の区画を作るから数日待ってほしいのにゃ」

「ありがとう」

シュバルツはクロに感謝しながら恩恵ポイントを貯める為に初心者の草原に向かった。

今日は武神のアシストを使わずに剣と槍を使い分けながらスライム狩りに勤しむ。

死蔵していた魔石の使い道も出来たので少しでも材料となる魔石を集めておきたい。

アイテムボックスがいっぱいになるまでスライムを狩って満足したシュバルツは現実世界に戻った。




今日も夕ご飯には父であるシュタイナーが来ていた。

連続してきたことはないのだが昨日の毒事件を気にしているのだろう。

別館に新たに警備の為の人員を配置したのか普段より視線を感じる。

「シュバルツどうした?」

「いえ、何でもないです」

母であるマリアンヌは何も知らない。

ここは知らないふりをした方がいいだろう。

ご飯を食べ終え退室しようとすると父であるシュタイナーもついてきた。

「お父様。何かお話でも?」

「うむ。だが場所をかえよう」

シュタイナーが先に歩き応接室までやってきた。

「シュバルツ。何か気になることでもあるのかな?」

「お父様。警備の人員が増えましたね?」

今も監視の目を感じる。

「ふむ。気づいたのか。以前、スキルや称号をポイントで取れるといっていたね。スキルを取ったのかい?」

「はい。シェリー姉様から警告を受けていたので使えそうなスキルをいくつか取りました」

「シュバルツの恩恵はすごいもののようだね。だが、同時に危険でもある」

「僕もそのように感じています」

「他の妃達がこの情報を知れば焦って排除しようとするだろう」

公爵家の継承順位は生まれた順となっている。

このままいけば長男のアルツェンが継承する予定だ。

だが、恩恵の効果によってはそれが覆る可能性もある。

シュバルツの恩恵は十分その可能性を秘めていた。

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