二十六話
今日のシュバルツは弓の練習場にきていた。
公爵家の騎士達は剣と槍を主に使うが弓の腕も磨いている。
シュバルツは練習場の責任者に自分もやってみたいとお願いしてみた。
「しばらくお待ちください」
そう責任者は言って筒のようなものでどこかに連絡を取っている。
通話の出来る魔道具だろうか?
科学は発達していないが魔法を使った道具は色々発達しているようだ。
「公爵様の許可がおりました」
「ありがとうございます」
シュバルツはすかさずカウンターの射撃を取得した。
「子供用の弓もありますがどうしますか?」
「普通の弓でお願いします」
「わかりました」
サイズが少々でかいが頑張れば扱えそうだ。
「誰かシュバルツ様のお手伝いをしてくれ」
責任者の人がそう声をかけるとまだ若い騎士が名乗り出る。
「では、私が。シュバルツ様。騎士のリオンと申します」
「よろしくお願いします」
「まずは私が射ってみますのでよく見ていてください」
シュバルツはリオンの動きを見逃さないように注意してみる。
リオンの腕はよく的の中央に矢が突き刺さる。
「お見事です」
「はは。私などまだまだですよ。シュバルツ様。やってみますか?」
「はい」
シュバルツも弓を持ち矢を構える。
武神の加護のおかげかこの辺はスムーズだ。
矢は見当違いの場所に飛んでいった。
「結構難しいですね」
「はじめてで前に飛んでいくだけ凄いですよ」
シュバルツはこの後も何度も何度も矢を放つ。
最後にはなった矢が的の角を捕らえた。
「初日でこれとは・・・。いやはや、シュバルツ様は才能がありますよ」
「今日はありがとうございました」
「またのお越しをお待ちしております」
弓の練習場を離れてから修行部屋に入る。
スキルを確認すれば弓術G-(Gマイナス)のスキルが増えていた。
「ねぇ。クロ。練習用の設備って出せるの?」
「恩恵ポイントを使うけど可能にゃ。それで何をするんだにゃ」
「弓の練習をしようと思ってね」
クロの指示通りに操作すると修行部屋の端に的が現れた。
シュバルツは一番安い弓を購入して矢も大量に購入する。
武神のアシストの弓術が解放されていたのでそれを選択して弓の練習をはじめた。
大量に買った矢を使いきれば回収して戻りまた弓の練習をする。
そのおかげもあり弓術をGランクまで上げることが出来た。
その結果に満足してシュバルツは現実世界に戻り読書の為、図書室に向かった。