二十四話
シュバルツがスライム狩りをしている頃、神達は協議していた。
家族を守りたいというシュバルツに何のスキルを取らせるかだ。
未来予知。
未来を見ることが出来るスキルだ。
最初は数秒先しか見えないがスキルのランクが上がれば数年先まで見えるようになる。
危機感知。
こちらは直感で危険を知らせてくれるスキルだ。
こちらもランクを上げることで危険なことから不快なことまで教えてくれる。
この2つのスキルは普通に持っている人もいる。
だが、複数のスキルを所持すると魔眼が発現することがある。
魔眼スキルは強力ではあるが所持しているだけで迫害を受ける可能性があり神々はそこを問題視していた。
というのも、過去に魔眼を悪用して問題を起こす人物が度々現れた為だ。
使い道を誤ればシュバルツが危機に陥る可能性もある。
結局、結論はでず本人の判断に委ねられた。
シュバルツが修行部屋に戻ってきた。
「スキルを取る前に注意事項にゃ」
クロは魔眼を取得する危険性を教えた。
だが、シュバルツは逆に目をキラキラさせている。
「にゃんでそんなに嬉しそうにゃ?」
「いや、だって。魔眼とか厨二病心を刺激するじゃないか」
魔眼と言えば中二病の筆頭とも言える。
それが実在するなんて素晴らしいとすらいう始末。
「・・・。まぁ、苦労するのはシュバルツにゃ」
クロは嬉しそうにスキルを取得するのを冷めた目で見るしかなかった。
結局、シュバルツはお勧めしたスキルと魔眼シリーズを嬉々として取ってしまった。
先見の魔眼。
未来を見ることが出来る魔眼。
石化の魔眼。
見た相手を石化する魔眼。
淫魔の魔眼。
見た相手を欲情させる魔眼。
魔力視の魔眼。
見た相手の魔力を見ることのできる魔眼。
遠見の魔眼。
遠くまで見通せる魔眼。
透視の魔眼。
服や鞄などを透視してみることのできる魔眼。
ピロリンと通知が出る。
魔眼シリーズを統合し精霊の目に進化できます。
シュバルツは迷うことなく統合を選ぶ。
「はぁ・・・。精霊の目までいくともはや呆れるにゃ。でも迫害される可能性は減ったにゃ」
「どういうこと?」
「精霊の目はたまにエルフなんかが持ってるのにゃ。精霊の目持ちは尊敬される存在だからにゃ」
「へぇ・・・」
何やら凄い物のようだが実感はあまりなかったりする。
シュバルツは精霊の目の効果を確認する為に森エリアを開放して遊びにでかけた。