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二十三話

公爵家に仕えるメイドというのは優秀だ。

こんなミスをすることは基本的にないはずだ。

落ちた料理を見てみれば何やら紫色の光を放っている。

凝視すれば脳内に毒を検出しましたと流れた。

メイドさんは毒に気づきわざと落としたのだろう。

「君は・・・。ちょっと来なさい」

そう言って父であるシュタイナーがメイドさんを連れて席を外した。

食事中に席を離れるのはマナー違反だがトイレに行くふりをして父であるシュタイナーとメイドさんの話を盗み聞く。

「君はアルツェン付きのメイドのはずだが・・・」

アルツェンとはクロイツェン公爵家の長男の名前だ。

「はい・・・。アルツェン様の指示で2人を守るように言われています」

「妙に視線を感じると思ったがそういうことか・・・」

父であるシュタイナーはこの館の人の数に違和感を覚えていたようだ。

「どれぐらいの者が気にしている?」

「兄妹の皆様、全員が気にしておいでです。妃の方達にばれないよう少数ずつローテーションで配備されています」

「今回は助かった。だが、2人を守る為とは言え私に報告ぐらいはほしかったな」

「公爵様のお耳に入れて大事にしたくなかったのでしょう」

「私は腹芸が苦手だからな。とは言え、今回のことは見逃せん。調査後、報告してくれ」

「かしこまりました」

話を聞くのに夢中でこの後のことを考えていなかった。

何も知らないふりをしてトイレに向かう。

当然、父であるシュタイナーに見つかった。

「シュバルツか・・・。今の話は聞いたか?」

「はい・・・」

「必ずお前たちは守る。今は秘密にしておいてくれ」

「わかりました」




シュバルツは不自然に思われないようにトイレに向かった。

自分達が毒殺されかけたのはショックだった。

クロに毒関係のスキルを取るように言われなければ気づけなかっただろう。

同じ敷地内に自分達の命を狙っている人がいる。

用心しなければと心にとめて食卓に戻った。




父であるシュタイナーは母であるマリアンヌを気遣っている。

母のお腹の中には新しい生命が宿っていることをこの時、聞かされた。

弟か妹が増えるらしい。

喜ばしい知らせではあるが母であるマリアンヌと弟か妹かはわからないが新しい家族を守る為に気をつけないと。

そんなことを考えながら修行部屋に入りクロに何かいいスキルはないか相談した。

ピックアップするので少し待ってほしいと言われて時間を潰すのに初心者の草原に向かうのだった。

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