二十一話
シュバルツは実践でどれぐらい剣と槍を扱えるのか確かめる為に初心者の草原にきていた。
スライム相手にひたすら実戦経験を積んでいく。
どうすれば効率よく狩れるのかそれだけを考える。
ある程度狩ったところでピロリンと音がする。
メニューを見れば点滅している項目があることに気づく。
アシスト(武術)
ポイントを支払うことで一定時間、武神が武器の扱い方をアシストしてくれます。
注意事項。
武神は体の負荷を無視する為、適度に休憩を取りましょう。
剣術 24時間 1000ポイント。
槍術 24時間 1000ポイント。
他の項目はある程度の基礎を固めた後アンロックされます。
武神の技術をたった1000ポイントで体験できるなら安い。
シュバルツは迷うことなく剣術を選択する。
だが、特に何も変わったところはなさそうだ。
とりあえずスライムの前に立ってみる。
すると体が勝手に動き出した。
シュバルツの体は勝手に動いてスライムを真っ二つにする。
これがアシストという奴か。
スライムを求めて初心者の草原を歩き回る。
1時間ほど動き回ったところで疲労を感じる。
一度、修行部屋に戻ることにした。
「おつかれにゃ。中々面白いことになってるにゃね」
「どういうこと?」
「シュバルツに武神が憑依してるにゃ」
体をどうやって動かしているのかと思ったら武神が憑依していたらしい。
「とりあえず休むよ」
そう言ってシュバルツは眠りに落ちる。
アシストの効果で相当疲労が溜まっていたようだ。
クロはシュバルツを見て溜息をついていた。
この部屋を創造した時点でわかっていたが神々に注目されている。
今はゲームを楽しんでいる感覚なのだろう。
幸せになってほしいと思っているが災いは向こうからやってくる。
その災いを払いのけられるかはシュバルツ次第だ。
そんなことを考えているとシュバルツが目を覚ます。
寝ていたのは3時間ぐらいだろう。
シュバルツはアシスト時間が勿体ないと言わんばかりに初心者の草原に向かっていった。
シュバルツは武神のアシストの元、剣を振るい続ける。
気が付けば剣術のスキルがワンランクアップしてGになっていた。
体の負担は大きいがこのまま武神のアシストを使い続ければ一端の剣士になれそうではある。
ステータスの方も伸びていそうだ。
次は槍術のアシストを試してみるのも面白そうだ。