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百六十七話

領都の騎士団に護衛されてやってきたのはシュバルツの兄妹達だった。

「やぁ。久しぶりだね」

「お兄様。お姉様。お久しぶりです」

「少し見ないうちにすっかり大きくなちゃって・・・」

「ここで立ち話もなんですからこちらへ」

そう言ってシュバルツは食堂へと案内する。

食堂では使用人達がお茶会を準備をしてくれていた。

シュバルツは今回は色々異空間で取れる物を提供している。

「しかし・・・。お父様から聞いたけど災難だったね」

誰も大悪魔と遭遇するなど考えないだろう。

「僕もお父様も無事でしたから」

「シュバルツがいなければお父様は死んでいただろうと言っていた。家族を代表してお礼を言うよ」

「いえ・・・。そう言えば、こちらに来ることを他のお母様達は何も言わなかったのですか?」

「表向きは災難にあった民の慰問だからね。これに異議を唱えれば無事では済まないさ」

「お力になれることがあれば何でも言ってください」

「いや・・・。既にシュバルツはかなり支援をしているだろう?」

シュバルツは個人的に被害にあった人達に食料やお金を寄贈している。

それはオグワールも同じだ。

「それはそうですが・・・」

「今回はお父様の代理だ。領都からきた僕達がしなければならない」

兄妹、全員の顔を見ればどれだけ真剣なのかわかる。

「とはいっても、僕らは迷宮都市アリスのことはよく知らない。知識を貸してくれると助かるな」

迷宮都市アリスは冒険者の街だ。

基本的に実力主義で粗野な一面もある。

だが、多くの冒険者は困っている人を見捨てられない性格だ。

「あら。皆、来ていたのね」

そう言って母様がリリアーヌを連れて入って来た。

「あら。この子がリリアーヌ?」

姉様達があっという間にリリアーヌの周りに集まる。

「ふふ。貴方達は本当に子供が好きなのね」

マリアンヌはそう言って微笑んでいる。

「シュバルツの時は構えませんでしたから・・・」

「そうそう。本当は色々したかったのに・・・」

そんな姉様達を兄様は苦笑いしてみていた。

「嫌われない程度に構うんだよ」

「は~い」

完全に姉様達の意識はリリアーヌに向いていた。

「それで、兄様達は実際のところどうするのですか?」

「そうだね。基本的には遺族への支援金ってところだろうね。その為の予算もおりているし」

「物資の支給というのも考えたんだけどね。必要としている物はそれぞれ違うだろうからね」

確かに食料を必要としている人もいれば稼ぎ頭を失って家賃すら危うい人もいる。

一番無難なのはお金というのは間違っていなかった。

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