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百五十九話

十分な休憩の後、不死者の迷宮に戻り、討伐を続ける。

深く潜れば潜るほど、不快な魔力をシュバルツは感じていた。

何といえばいいのかわからないが何かがある。

直感ではあるが、このまま進むのは危険な気がする。

「一度、地上に戻りましょう」

「シュバルツ様がそういうなんて珍しいですね」

シュバルツは基本、効率主義だ。

とことん無駄を嫌う性格である。

「ちょっと、嫌な雰囲気がするんですよ」

「私達には異論はありません」

シュバルツ達は道を戻り、地上に帰還した。

冒険者組合に行って、とりあえず魔石の換金をする。

無事に換金も終わり、冒険者組合を後にする。

女性陣の希望もあり、真っ直ぐる城に戻った。

生活魔法のクリーンはかけて臭いはしないはずだが、それでもお風呂に入りたいのだろう。

シュバルツもその気持ちはわかる為、何も言わなかった。

数日は休養に充てる予定だったが、急報が入った。

不死の迷宮でリッチの徘徊が確認された。

この事態に祖父であるオグワールは騎士団の投入を決めた。

冒険者組合としては不名誉だろうがこれは仕方ない。

悪戯に意地を張り、死者が出るよりは余程マシだろう。




数日が経ち、不死の迷宮を攻略したという情報はあがってこなかった。

騎士団も頑張っているようだが相手が悪い。

オグワールは事態を重くみて、教会へも支援を頼んだ。

教会は不死者の討伐を専門とする聖騎士をすぐに派遣した。

楽観はできないが、これでリッチも終わりだろう。

だが何日経っても、リッチ討伐の報告はあがってこなかった。

騎士団と聖騎士が協力して迷宮内を探したが、発見できなかったのである。

シュバルツはクロに相談してみた。

「迷宮にいるはずの魔物が見つからないってあるの?」

「そうだにゃ。今回はリッチという話だったにゃ。空間系の魔法を使えるなら異空間に潜んでいる可能性があるにゃ」

「なるほど・・・。討伐する方法は?」

「空間系の魔法が使えにゃいと難しいにゃ」

シュバルツは適性はあるがまだ、空間系の魔法は使えない。

「放置するしかないか・・・」

「とりあえず数を減らしたならスタンピードはおこらにゃいはずにゃ。不人気という話だしにゃ。犠牲者は出ないと思うにゃ」

クロにそう言われてシュバルツはこの件を考えないことにした。

実際、不死者の迷宮に挑む人はおらず、犠牲者はでなかった。

が、シュバルツはこの時の選択を後で悔やむこととなる。


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