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百五十五話

シュバルツは外出禁止を言い渡されたため、暇を潰すために本を読んでいた。

今読んでいるのは、歴史書である。

建国時代から記された歴史を読む。

時折、時代に合わない発明がなされていたりする。

それを考えると自分以外にも、転生者はいたりするのだろうか?

仮にいたとして、どう接するのが正解なのだろうか。

シュバルツとしては今世の生活には不満はない。

それは、問題はあれど公爵家と言う恵まれた家に生まれたからだろう。

平民の家に生まれたりしていたら、どうだっただろうか?

色々好き勝手やっているが、土にまみれ、農業の手伝いをしていたのかもしれない。

普通の家では5歳ぐらいから、簡単な仕事を手伝わされる。

考えてみれば、シュバルツは何かをしろと言われたことはない。

食っちゃ寝生活をしても何も言ってこないだろう。

改めて、恵まれているなぁと感じた。




フラン、マリル、レベッカは修練に精を出していた。

このままでは、守護対象であるシュバルツに追いつかれるという危機意識からだ。

騎士団長であるスタリオンに頼み、暇をしている騎士団員に相手に模擬戦をしてもらっている。

自分達より、ベテランの騎士はやはり強い。

ボコボコにされたりするが、そこから多くのことを学ぶ。

その姿勢を見て、他の騎士団員達も気合を入れる。

襲撃を受け、犯人を取り逃がしたのは大きな失態だった。

あのような無様な姿はもう見せたくない。




ミミとシズノは魔法の練習をしていた。

2人はパーティーメンバーの中で自分達が一番経験がないことを自覚している。

武器の扱い方は洗練されてきているが、魔法の腕はからっきしだ。

それを補うために、魔力が尽きるまで魔法を使う。

魔力が尽きればシュバルツにもらった、魔力を回復する回復薬を飲んで再び魔法を使う。

魔力は枯渇し回復する際に、少しだけ魔力量が上がる性質がある。

2人はそのことを知らなかったが、何度も魔力の枯渇を繰り返すことで、魔力量が増えていた。



それぞれに出来ることをする。

それは間違いなくパーティー全体のプラスになっていた。

外出が解禁されるまでそれぞれが己を鍛えたことにより、全員が1回りも2回りも成長していた。

オグワールはそんな頑張りを見ていた為、外出許可を出すしかなかった。

暗殺者はまだ潜んでいそうではある。

だが、シュバルツ達ならばどんな困難にも打ち勝てるだろう。

そう思わせるだけの強さがあった。

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