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百五十二話

日付も変わろうかという深夜。

城にはカーンカーンカーンと高い鐘の音が響いていた。

シュバルツもその音で目を覚ます。

何事かと思っていると、軽装のフランが飛び込んできた。

「フラン・・・?」

「シュバルツ様。侵入者です」

どうやらこの鐘の音は侵入者を知らせる音だったようだ。

「ミミ、シズノ、起きて」

「うぅ~ん・・・。眠い・・・」

「何なの?騒がしい・・・」

「フラン。2人をお願い」

「わかりました。シュバルツ様は?」

「僕は母様のところに」

そう言ってシュバルツはマリアンヌの部屋に向かった。

部屋の中にはマリルとレベッカがいた。

どうやら護衛についてくれていたようだ。

シュバルツに出来ることはない。

しばらく、待っているとミミとシズノにフランも部屋にやって来る。

賊の目的はわからない為、無暗に動くわけにもいかない。

廊下ではガチャガチャと音がする。

どうやら、新たに騎士が派遣されてきたようだ。

扉が開き、祖父のオグワールが入ってくる。

「全員無事だな?」

「はい。お爺様」

「賊はどうなっていますか?」

「城の中を逃げ回っておる。捕まえるのは時間の問題じゃろう」




しばらく待っていると、コンコンと扉を叩く音がして騎士団長であるテンペストが部屋に入ってくる。

「お館様。申し訳ありません。逃げられました」

「逃げられたじゃと・・・?」

「はい。ですが、相手の素性はわかりました。カラスです」

「カラスか・・・。また、厄介な連中が入り込んできたものじゃな」

「お爺様。カラスとは?」

「マルセイユ王国で有名な暗殺集団じゃ」

「暗殺集団・・・。目的はやはり?」

「恐らくお前達じゃろう」

この城で命を狙われているのはシュバルツとマリアンヌ、リリアーヌだ。

どうやら、相手は強引にでも亡き者にしたいようだ。

「安心せい。絶対に守りきってみせるからの」

「ありがとうございます」

「もう、遅い、今日は休みなさい」

それぞれ、自分の部屋に戻り眠りにつく。

だが、シュバルツは中々眠りにつくことができなかった。

お爺様はああいってくれたが、自分でも対策が必要だろう。




暗殺集団カラスを雇った黒幕は報告を受けていた。

「なに?失敗したですって。高い金を払ったって言うのにこの役立たず」

「申し訳ありません。ですが、もう一度チャンスをください」

「いいでしょう。ですが、次はありません。いいですね?」

「心得ております」

そう言ってカラスの連絡員は影に消えていった。


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