百五十話
シズノに連れてこられたのは服飾店が並ぶエリアだった。
「シュバルツ様。どれがいい?」
「う~ん・・・。ワンピースとかはどうかな?」
「へぇ・・・。そういうのがいいんだ」
シズノは早速、ワンピースを手に持ち試着室に向かう。
カーテン越しに着ずくれの音がする。
普段は意識しないようにしているが、何だかドキドキしてくる。
しばらく待っていると着替えたシズノがカーテンを開く。
「どうかな?」
シズノはそう言って、くるりと一周体を回転させる。
スカートがひらりと舞い、下着が見えそうだ。
シュバルツは慌てて、視線をずらす。
「もう・・・。ちゃんと見てよね」
シズノはそんなことを言ってくる。
「ごめんごめん。でも下着が見えそうだったから・・・」
「シュバルツのえっち・・・」
口ではそう言っているが、全然恥ずかしそうではない。
まぁ、子供と思っている相手に見られたとしても気にしないかと思うことにした。
「次の服は・・・」
そう言って、シズノはワンピースを着たまま次の服を取りに行った。
シズノはシュバルツの反応を見て、楽しんでいた。
ついつい意地悪なんかもしかけたりしたが、その反応がまた可愛らしい。
感想もしっかり言ってくれるので気分がよくなってくる。
シズノは大量の服を買いこんだ。
時間が経つのを忘れて、慌てて城に戻ることになったが大満足だった。
城に戻ると待ちきれないという感じでミミが抱きついてくる。
「それじゃ、いこっか」
「はい」
ミミが向かったのはアクセサリーなんかを扱っている小物店だ。
昔の生活ではこういったアクセサリーを買うなど無理な話だったが、今では十分買えるだけの蓄えもある。
それに、こういうのは見るだけでも楽しい。
ミミは結局、何も買わなかった。
シュバルツは忘れ物をしたといって、ミミのじっと見ていたペンダントを2つ買った。
「お待たせしました」
「もう。忘れ物なんて・・・」
「はい。これ・・・」
そう言ってシュバルツはペンダントを取り出す。
「それ・・・」
「ずっと見ていたでしょ?それにお揃いですよ」
「ありがとう・・・。大切にするね」
どうやら反応を見るにこれでよかったようだ。
ミミは上機嫌で城への道を歩いていく。
城に戻り、1度昼食の為に食堂に集まった、
後はマリルとレベッカだ。
2人は一体どこに向かうのだろうか。
3人とのデートのようなものをしてシュバルツの心には少し余裕が出来ていた。