百四十八話
今年も収穫祭の時期がやってきた。
パーティーメンバーにクランメンバーを巻き込み準備を進める。
今年は去年、好評だった鍋は継続して出すことにした。
人手が増えたので、今年は串焼きも提供予定だ。
串焼きはどれぐらい焼くか事前に練習をしてもらった。
どうせ出すなら美味しい物を食べてもらいたい。
何度も練習してもらい、問題ないレベルになっている。
クランメンバーは貴重な肉を食べ放題だといって喜んでいた。
当日、それぞれ分担して広場にて作業を開始する。
シュバルツは鍋と串焼きの在庫がきれそうなら補充する係だ。
去年に引き続き、今年も好評である。
無料ということもあって行列になっている。
こうなるだろうと予測が出来ていたので、今年は列を整理する衛兵達があらかじめ用意されていた。
行列が途切れることはなく、夜まで列が続いた。
今は、片づけをしてクランハウスに集まっている。
シュバルツは別に用意していた料理を提供し打ち上げの最中だ。
「いやぁ・・・。疲れたなぁ」
「皆、お疲れさまでした」
「それにしても太っ腹だな。あれだけの食料をだといくらかかってるんだ?」
「そうそう。俺達の稼ぎなんて一瞬で吹き飛びそうだぜ」
基本的に異空間で余っているものだが、そのことは極秘事項だ。
「さぁさぁ。そんなことより、いっぱい食べてくださいね」
シュバルツは強引に話題をかえて誤魔化した。
まだまだ、成長期の彼等だ。
準備していた料理はあっという間になくなり追加を準備することになった。
パーティーメンバーが途中で迎えに来たので多めに食材を渡しシュバルツはクランハウスを後にした。
女性陣の方は準備していた分で足りたそうで安心した。
シュバルツ達が城に戻るとホールでは手伝ってくれた使用人達が宴会をしていた。
事前に酒やつまみになりそうな物は用意していたが他にも料理が並んでいる。
楽しそうにしているのを確認して、シュバルツ達は部屋に引き上げた。
今日は、異空間での修業も休みな為、そのまま眠りにつく。
明日は女性陣の希望で露店巡りの予定だ。
何故か、交代で1時間ぐらい2人きりの時間がほしいと言われた。
普段、頑張ってくれているのだ。
それぐらいの我儘ぐらいは聞いてあげたい。
それにデートのようでシュバルツとしても楽しみにしている。
前世では恋人を作るどころではなかった。
失敗しないだろうかとか考えている間に、いつの間にか眠りに落ちていた。