百四十四話
シュバルツ達は朝食を食べ終え、朝一で魔道具屋を訪れた。
「これはこれは。ようこそいらっしゃいました」
「お世話になります」
「何をお探しでしょうか?」
「マジックポーチの在庫はありますか?」
「マジックポーチですね。ございますよ」
そういって店員はシュバルツ達を案内する。
応接スペースに案内され、店員が一度下がり、箱を持って戻ってくる。
店員が箱を開けると何個かのマジックポーチが収まっていた。
シュバルツは精霊の目で容量を確認して2つを選ぶ。
「これをください」
「お買い上げありがとうございます。代金はこれぐらいになりますが・・・」
シュバルツはアイテムボックスから代金を支払い無事、マジックポーチを買うことができた。
店を後にして1つをフランに渡す。
「シュバルツ様。これは?」
「女子組に1つ渡してくれるかな?」
「あぁ・・・。魔物を倒しても運べる量が少ないと困ってましたね・・・」
「これである程度は解決するんじゃないかな」
シュバルツは他のパーティーメンバーと別れて男子組のクランハウスに向かった。
だが、どうやらお出かけ中らしい。
戻ってくるまで待つかと料理をはじめた。
昼ぐらいになり、男子組が戻ってきた。
「おかえり」
「誰かと思ったらシュバルツか」
「色々買ってきたみたいだね」
それぞれに荷物を沢山、抱えている。
「まずは食事にしようか」
荷物を置いてきた男子組は凄い勢いで食事を食べていく。
あまりにも暇だったので多めに作っておいたのだが食べつくされそうだ。
食事も終え、落ち着いたところでシュバルツは着替えをまず渡す。
「着替えか・・・。そういや、全然気にしてなかったな」
フラン達が気付かなければシュバルツも考えなかっただろう。
衛生面を考えれば大事なことだ。
「後はこれを渡しておくね」
そう言ってマジックポーチを渡す。
「これは?」
「マジックポーチだよ。これで運べる量が増えるよ」
「こんな貴重な品、いいのか?」
「先行投資みたいなものかな」
「ありがとう。これで、バシバシ稼ぐぜ」
「安全面はしっかりね」
シュバルツは釘をさすのを忘れない。
稼げるからと言って無茶をされても困る。
「買い物も終えたし、早速、稼ぎに行くか」
「なら、どれぐらい成長したか、確認させてもらおうかな」
シュバルツは男子組の狩りに同行することにした。
慣れてきた頃が危ないのだ。
シュバルツのその懸念は間違っていなかった。