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百二十話

シュバルツは夕食後、父親であるシュタイナーに呼び出されていた。

「父様。どうしたんですか?」

「お前の恩恵についてだ。王太子殿下は信用できる方ではあるが保険は必要だと思ってな」

シュバルツとしてもサイファーが裏切るとは思わないがサイファーの近くにいる人員全員が信頼できるわけではない。

「王太子殿下とも話し合ったのだがな。植物を急成長できる能力だと嘘の情報を流すことにした」

「なるほど・・・。能力不明であれば探りに来る者もいそうですからね」

肉類に関しては迷宮産だと言えばいいし、野菜類は急成長させたものだと偽れば説得力が出るだろう。

「それにしても、少し頑張りすぎではないか?もうCランクの冒険者だとは・・・」

成果を出すことは悪いことではない。

だが、冒険者として活躍しすぎては命を狙っている側が焦るかもしれない。

「しばらくは冒険者業を休もうと考えています。色々したいこともありますし」

「したいことか?」

「はい。錬金術の腕をあげようかと・・・」

「錬金術か・・・。父上から報告は受けている。支援が必要ならいくらでもしよう」

「ありがとございます」

父親であるシュタイナーが協力してくれるなら入手しずらい素材なども手に入るだろう。

「それはそうとこの前に貰った、ドライフルーツはないか?」

「気に入ったのならいくらでもありますが」

そう言ってシュバルツはアイテムボックスから次々にドライフルーツを取り出す。

それとは別にナッツ類や木の実を加工した物も出す。

「父様。こちらは新作です。お酒のお供にいいですよ」

「少し食べてみてもいいか?」

「はい」

シュタイナーはそう言っていくつか食べてみる。

「これは美味いな。酒がほしくなる」

「遠慮せず飲めばいいのに・・・」

「いや、流石に明日も早いからな」

シュタイナーは用事がすんだため、明日には領都に戻るという。

深酒しなければ問題ないと思うが自分を律するのも大人という奴なのだろう。

「では、仕事が終わったら飲んでください」

そう言ってシュバルツはワインを数本取り出した。

「これは?」

「異空間で作ったワインです」

「酒まで造っているとは・・・。飲んでないだろうな?」

「流石に飲んでませんよ。兄妹の皆にはこちらを」

そう言って今度は葡萄ジュースを取り出す。

「はぁ・・・。お前は一体どこを目指しているのかわからんな」

自分でも正直、やりすぎかなとは思うが増え続ける収穫物を加工していたらこうなっていた。

褒め言葉として受け取っておこうと思うシュバルツだった。

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