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百十二話

シュバルツの部屋にはパーティーメンバーである3人が集まっていた。

「シュバルツ様。難しい顔をしてどうしたんですか?」

「少々やることが出来まして・・・」

シュバルツは祖父であるオグワールに頼まれたことを説明する。

「なるほど。でも、それほど悩むことですか?」

「種などは簡単に用意できますけど育て方を書いた本も用意したほうがよさそうなので」

戻ってくる際に、恩恵ポイントで育て方の書かれた本を豊穣神が用意してくれているのは確認している。

だが、必要な恩恵ポイントは1000もした。

1冊では足りないので複数用意する必要があるだろう。

と、なればどうやって用意するか。

紙については問題ない。

最近、工房区画でクロの眷属達が作ってくれているので十分な備蓄がある。

書き写すのは手間がかかりすぎる。

それで考えた結果、最初は大変だが活版印刷を考え付いた。

一度、作ってしまえば今後も何かと活用できるだろう。

シュバルツ達はとりあえず修行部屋に移動する。

時間がかかるので3人には好きにしていいといったのだが手伝ってくれるという。

お言葉に甘えて全員で森区画に移動して木材を確保する。

木材を確保したら工房区画に移動した。

ここで問題になったのがミミとシズノだ。

2人は文字を読めない。

シュバルツはまず、簡単な文字のパズルを作ることにした。

フランもそれを手伝ってくれる。

パズルが完成しフランが2人に文字を教える。

シュバルツはその光景を眺めながら1人で作業を続けた。

途中、休憩を挟みつつも黙々と作業を続ける。

1ページ分、完成したのでとりあえず試し刷りをする。

ムラはあるが読めないほどではない。

問題はないと判断してシュバルツは次のページを作りはじめる。

文字は問題なかったのだがわかりやすく図が入っている部分を作るのは大変だった。

昔の人はこんな大変な作業をしていたのかと思いをはせる。

現代ではコピー機なる大変便利なものがある。

気晴らしに恩恵ポイントで何かいい物はないかと見てみたらコピー機も買えるようだ。

だが、買ったところで意味がない。

この世界には動かすための電気がないのだから・・・。

電気を魔力に置き換えれば使えるのだろうか?

今は試す余裕がないが今後、暇を見て試してみるのはありだろうか。

そんなことを考えながらシュバルツは作業に戻った。

ミミとシズノは楽しそうに文字のパズルを組み替えている。

教えているフランも楽しそうだ。

文字は覚えておいて損はない。

元々1人でも作る予定だったのでシュバルツに不満はなかった。

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