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百九話

シュバルツは城に戻ると祖父であるオグワールに呼び出された。

「盗賊退治にしては遅かったな?」

「途中、王太子殿下に会いまして・・・。護衛を頼まれました」

「それはまた・・・」

「どうやら王太子殿下が後ろ盾になってくれるようです」

「安全は安全なのだろうが。お主の将来が心配ではあるな」

父親であるシュタイナーや祖父であるオグワールは自由に生きてほしいとの思いから冒険者になることを認めてくれた。

だが、王太子殿下であるサイファーと接触したことで政治に関わらなければならなくなった。

マルセイユ王国は安定しているがそれでも一枚岩であるわけではない。

王太子であるサイファーと敵対する勢力も存在する。

「まぁ・・・。うまく立ち回りますよ」

「そうか。しかし、お主はちと物分かりが良すぎるな」

普通の5歳児ではないのでそこは諦めてほしい。

とはいえ、体に精神年齢が引っ張られている感じもするが。

前世の自分では考えられないような選択肢をすることも少なくない。

後で、それとなくクロに聞いてみよう。

「何はともあれ疲れただろう。夕食を用意させているから食べなさい」

「はい」

シュバルツが食堂に入ると母であるマリアンヌにパーティーメンバーの3人が揃っていた。

「遅くなりました」

「いえ。貴方が無事に帰ってきた。それだけで十分です」

母であるマリアンヌには心配をかけてしまったようだ。

「それでは冷めてしまう前に頂きましょう」

食事はシュバルツの好きな物ばかりだった。

これは母であるマリアンヌの配慮だろう。




食事を終え、体を綺麗にしてからシュバルツの部屋に集まる。

移動中は控えていたが今日からは異空間での修業を再開する。

まずは、修行部屋でそれぞれ体を動かす。

その際、シュバルツはクロに精神年齢の話を聞いた。

それによると体に精神が引っ張られるのは普通のことらしい。

世界が異物を排除しようとするのに似ていると言われた。

確かにこの世界にない知識を持っているシュバルツはこの世界からしたら遺物だろう。

それを獣神であるクロをはじめとした神々の加護が防いでいるらしい。

クロからはあまり気にせず好き勝手していいとのことだった。

疑問も解決したところでシュバルツ達はオーク村へと移動した。

久々の狩りである為、まずは難易度の低いオーク村でウォーミングアップすることになった。

存分に体を動かしたシュバルツ達は一度、修行部屋に戻ってきた。

難しい政治に巻き込まれるぐらいならこうして魔物を倒している方が気が楽だった。

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