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六 二度目の襲撃

 涼平とライトは一緒に通学路を歩きじたくに帰った。いつものようにライトはソファでゲームを始める。

 「一応聞くけど、ライトはどうして転校してきたんだ。」

 涼平はライトが転校してきた理由を何となく予想はついているが、本人から直接聞いておきたいと考えた。

 「それは学校に通ってみたいと思ったからっていうのもあるんだけど、やっぱり涼平に傍にいた方が守ってもらえるでしょ。」

 ライトの理由は涼平の予想通りだった。

 「そうだな。けど、どうやって入学したんだ?まさか神様の力を濫用したんじゃないのか。」

 「そうだけど。だって私戸籍とか持ってないし。転校するにはそうするしかなかったのよ。けど、安心して。転学する際に受けたテストは実力で受けたから。結果は全教科満点だったって。」

 ライトはゲームをしながら軽い口調で言う。

 「えっ。」

 涼平は驚いた。

 「どうしたの。転学するには力を使うしかないでしょ。」

 「いや、それはそうなんだけど。それより、ライトは転学試験で満点とったのか?」

 涼平はライトがテストで満点を取ったことに驚いた。それも当然である。転学試験は、通常の一般入試よりも難易度が高いテストになる。神命学園の入学試験より難しい試験。入学試験で苦戦した涼平にとっては、転学試験の難易度は計り知れない。その試験をライトは満点だったというのだ。

 「そうだけど。私が満点を取ることがそんに変かな?私は神様だよ。人間よりも知識があって当然だよ。」

 「それもそうか。」

 涼平は納得した。ライトは神様だし、知識があっても当然か。涼平は普段のライトの様子や今日の授業の様子から勝手に勉強は得意ではないと認識していた。

 「私からも質問いい?」

 「なんだ?」

 「涼平はどうして私を助けてくれたの?涼平のことを考えると、あそこで悪魔と戦ったことはかなりリスクがあったと思うのだけど。そこまでして私を助けたからには、涼平にも何かメリットがあっての行動だよね。」

 ライトにとって涼平が悪魔から守ってくれたこと自体はとても嬉しかった。しかし、悪魔が人間界に来る手段を手に入れたとなると話は変わる。涼平の見た目はどっからどう見ても人間だ。神様であるライトですら、戦いに勝利するまでは人間だと思っていた。人間界に来た理由は知らないが、涼平は人間界の生活を楽しんでいる。悪魔と戦う行為はその生活を壊すことに等しい。

 「そうだな。もし、俺のことを知っている悪魔に対峙したら、戦わずに逃げてくれるかもな。」

 「ちがーう。確かにそうかもしれないけど、涼平にとって正体がばれることは、今の楽しい生活を捨てることになるかもしれないでしょ。」

 「そうかもしれないが、そのリスクよりもライトを守りたかっただけだ。」

 「それは嬉しいけど、理由になってない。どうして守りたかったが知りたいのー。」

 「それは、俺はいずれ魔界に帰る必要があるんだけど、俺の力が帰ることができないだろ。だから、ライトといればそのうちライトを迎えに来る神様に魔界に帰る手段を教えてもらおうと思ってたな。」

 「そっか。」

 ライトの声は少し残念そうだった。 

 「・・・。」

 「・・・。」

 無言の中気まずい雰囲気ができる。

 「今日の数学の宿題やらないとけないから。」

 涼平は自分の部屋に逃げた。

 「私なんであんな質問したんだろ?」

 涼平が部屋に入ったことを、扉の音で確認してからライトは独り言を呟く。

 「・・・。私、ちょっと期待してたのかな。」

 ライトはソファの上で体を丸める。

 涼平が損得勘定ではなく、私のことを想って守ってくれてたら・・・。ライトの心の中の幻想は打ち砕かれる。

 「これでいいのよ。神様である私が誰か一人に現を抜かすことはダメ。私は公平に人と接しないと。」

 ライトの自分が神様であることを再び意識し、自分の感情を封印した。

 

 ライトが学校に転校してから数日が経った。

 ライトはそのルックスとコミュニケーション能力の高さから、クラスの中に溶け込むことができた。ライトは男女共に人気で、休み時間は色々な生徒と話をしていた。昼食も女子のグループと食べるようになり、初日のように涼平と食べるということは無くなった。

 「ライトちゃんは部活に入らないの?」

 放課後、聖来が部活に行く前にライトに質問した。

 「私は入らないかな。やりたいゲームがいっぱいあるんだよ。」

 ライトは理由を適当に考えた。部活に入らない本当の理由は、部活に入ってしまうと、部活に入っていない涼平と下校時間がずれてしまう。それを避けるためだからだ。

 「そっか。ライトちゃんはスポーツやれば、絶対上手くなると思うのに。」

 聖来はライトが部活に入らないことをもったいないと感じた。ライトは体育の体力測定でA判定だったのだ。それも当然といえば当然である。ライトは神様で人間とは身体のできが違う。ライトは悪魔には勝てないが、悪魔から逃げれる程度には運動能力がある。その能力は人間と比べると大きな差があるのは当然だ。

 ちなみに涼平は体力測定の時は、普通にしている。涼平の身体は人間と変わらないからである。悪魔と戦う時には身体強化魔法をかけて、悪魔と同レベルの身体能力にしている。

 「じゃあ、私は部活に行くね。」

 聖来は荷物を持って教室を出る。

 「部活頑張ってね。」

 ライトは聖来を見送る。

 「話は終わったみたいだな。」

 涼平はライトたちが話している間、ラノベを読んで時間を潰していた。

 「うん。待っててくれてありがとう。」

 「当たり前だろ。一緒に帰らないとライトを守れないだろ。」

 「そんな頻繁に悪魔は来ないよ。」

 ライトは涼平の発言を嬉しく思った。しかし、このライトの発言がフラグとなったのだ。


 「なあ、ライト。悪魔は頻繁に来ないじゃなかったのか。」

 「うーん。どうやら違ったみたいだね。」

 涼平とライトは目の前に現れた二人の悪魔を見て学校での会話にツッコミを入れる。

 「今回の悪魔は前よりも強そうなんだけど。」

 ライトは悪魔を見て思ったことを言う。

 「大丈夫だ。確かに前回の奴らよりも強いけど、俺の相手ではない。」

 涼平は相手の姿を見て、戦力を分析する。

 相手の男女の悪魔だ。男の方は身長160センチ程度の小柄な悪魔だ。女の方は男より5センチ程度身長が高く、ライト程ではないにしろスタイルが良かった。

 「あれがターゲットか。」

 男の悪魔は短剣を両手に持つ。どうやら二刀流のようだ。

 「じゃあいつも通りにしましょう。」

 女の悪魔は男の悪魔の数メートル後方に移動する。

 「なあライト。この前の剣出してくれ。」

 涼平は武器を要求する。

 「神剣デモンスレイヤーは涼平に所有権を移したから、涼平が剣をイメージすれば出てくるよ。」

 「分かった。」

 涼平は神剣デモンスレイヤーをイメージする。すると、いつの間にか右手に剣が握られていた。

 「なあ、お前ら。今なら見逃してやるから、とっとと魔界に帰りな。」

 涼平は悪魔たちに述べる。これは挑発しているのではなく、涼平なりの優しさだ。涼平はあの二人に勝つ自信があるから、無駄に殺したくないのだ。

 「それはできない相談だな。」

 男の悪魔が涼平に攻撃を仕掛ける。スピードは以前の悪魔よりも倍は速い。両手に持つ二つの短剣で連続攻撃をする。涼平はその連続攻撃を躱したり、剣で防御したりする。

 「なるほどな。あえて短剣を使うことで、攻撃スピードを上げているわけか。」

 涼平は戦いの中で相手を分析する。短剣のメリットは涼平が持っているようなロングソードに比べて、重量が非常に軽いことであることである。そのおかげで、一回の攻撃に対する身体の負荷を減らし、連続攻撃を可能にしている。また、男の悪魔の身長の低さを利用して、小回りの利く攻撃をすることが可能になっている。

 「戦闘中に分析とはのんきなものだな。」

 男の悪魔は連続攻撃をしつつ、涼平の態度に苛立ちを覚える。戦闘中に分析をする行為は余裕の証拠である、自分よりも強い相手だった場合、攻撃を防ぐので精一杯だったりで決して分析する余裕はない。特に一人で戦っている者の場合は。

 「のんきと言うか、確実に勝つためには分析は必要だろ。格下の相手に想定外の攻撃をされて、形勢が崩れて負けるっていうパターンを無くすためにな。」

 戦闘において敗北は死を意味する。敗北を避けるために最善の手を尽くすのは当然だ。獅子は兎を狩るにも全力を尽くすということわざがあるように、油断するわけにはいかない。特に今回のような場合は。これが戦争中であれば、多数の相手と戦わなければならない。そうなると、格下相手には体力の消費を抑えるために勝負をすぐにつけることがベストだ。しかし、今回は一対二。しかも相手には増援はない。つまり、この戦いに体力を全て使えるということだ。

 「そうか。せいぜい余裕ぶってろ。」

 男の悪魔は攻撃を止め後方に下がる。その瞬間、涼平の足元に魔方陣が出現し、魔方陣から火山の噴火のように炎魔法が炸裂する。

 「やったか。」

 男の悪魔が魔法が発動した場所を見る。その場所は、炎魔法の影響で煙に包まれていてよく見えなかった。煙が消えていくとそこには人影が見えた。

 「なるほどな。前衛である男の方が時間を稼ぎ、その間に女の悪魔が魔法を詠唱する感じか。どうやら、男の反応的に今の魔法が最大火力なんだろうな。」

 涼平は今の攻撃を冷静に分析する。

 「一回防いだくらいでいい気になるなよ。」

 男の悪魔が再び攻撃を仕掛ける。

 「いや、もう勝負は終わりだ。」

 涼平は男の攻撃を躱し、攻撃を仕掛ける。男は涼平の攻撃を防げずに後方に吹っ飛ぶ。男はすぐに体制を立て直すが、遅かった。涼平の二撃目が男の直撃する。

 「ぐはっ。」

 男は口から血を吐き、その場に倒れる。

 「止めだ。」

 涼平は剣を男の心臓付近に剣を突き刺す。男は動かなくなった。

 「これで仲間は死んだけどどうする。俺はなるべく女は殺したくないんだけどな。」

 涼平は女の悪魔に最後のチャンスを与える。

 「仲間がやられて黙って逃げるわけないでしょ。」

 女の悪魔は先ほどのような高火力の魔法ではなく、詠唱時間が短い魔法を連発する。

 涼平は魔法を躱しながら、女の悪魔との距離を詰める。

 「くそっ。くそっ。くそっ。」

 女は当たらない魔法を詠唱し続ける。その行為に意味はなく、涼平の攻撃範囲内まで女との距離が詰まる。

 女は涼平の攻撃を防ぐために防御魔法を展開する。しかし、涼平はいとも簡単にその魔法を剣で破壊する。

 「楽に殺してやる。」

 涼平は一瞬で女の首を切り落とした。切り口から血が多量に噴き出て、身体は地面に崩れ落ちる。

 「戦闘で大切な事は、相手の力量を計ることだって教えてやったのに。」

 涼平は死体に語りかける。二人の悪魔は涼平に仕掛けた最初の攻撃で、倒しきれなかった時点で勝てないと判断して撤退すべきだった。今の涼平は撤退する相手をわざわざ殺すようなことをするつもりは無かった。二人が相手の戦力を分析していれば、無駄に命を散らすことは無かったのに。

 「涼平すごいね。あんな強そうな悪魔にあっさり勝っちゃうなんて。」

 ライトは涼平の戦いに感激していた。

 「あいつらは強くないよ。」

 「どうして?攻撃も魔法も強力だったと思うけど。」

 「前回の悪魔に比べたらな。いいか、ライト。悪魔の戦いは最強の個が勝つんだ。みんなで協力すれば、強い相手に勝てるなんて幻想だ。」

 涼平はライトに悪魔の戦いについて語る。

 「そうなの?あの二人はいい連携だったと思うけど。」

 「連携は悪くなかったとは思う。けど、例えば男の悪魔。あいつは短剣装備だっただろ。短剣のデメリットは軽い分火力が出ないんだ。それに加えて、男の身体小さい。小さい身体は大きい身体に比べて力は小さい。あの男はそれを分かっているからスピード型の戦いをしたのだろう。けど、それだと自分一人では殺せないことを戦い方で相手に教えているようなものだ。」

 涼平は男の弱点について解説する。

 「言われてみればそうかも。じゃあ、女の方はどうなの?」

 「女の方の弱点は、一人で戦えないところだな。確かに魔法自体は良かったと思う。けど、魔法を発動するのに男の時間稼ぎが必要なのがいただけない。女の悪魔は男が死んでから、手軽に打てる火力が無い魔法に切り替えただろ。本当に強い奴なら、あの場面でも最高火力の魔法をバンバン打ってくる。そもそも、戦争してたら自分以外が死ぬなんて、普通にあることなのに、一人ではフルで戦えないことが論外だ。」

 涼平は今度は女の弱点を解説する。

 「へぇー。涼平はすごいね。あの短い戦闘でそこまで分かるなんて。」

 ライトは涼平に感心する。

 「普通だよ。」

 涼平は照れ隠しをする。

 「そっか。ありがとね涼平。今日も守ってくれて。」

 ライトはそう言うと帰り道を歩き始めた。

 (今度からは今日のようにはいかないだろうな。)

 涼平は今日の戦いで自分の弱点を見つけてしまったのだ。しかし、ライトを心配させないように、そのことをライトに悟られるわけにはいかないから、ライトの前では余裕を見せておかないといけなかった。

 涼平が見つけた弱点は、長時間戦闘できないということだ。涼平の身体は人間と同じだ。ライトが以前言ったように、人間と悪魔の基礎身体能力には何倍もの差がある。涼平はまず悪魔の基礎身体能力と同等の水準にするために身体強化魔法をかけている。普通に戦うために魔力を消費しなければならない。悪魔は戦闘の際に身体強化魔法をかけているので、涼平は相手と同等以上になるまでさらに身体強化魔法をかけなければならない。つまり、魔力の消費が相手と比べて、段違いに早いということだ。そうなれば、長期戦になればなるるほど涼平が不利になる。魔力が無くなればその時点で負けるというわけだ。今回の相手はそこまで強くなかったから問題にはならなかったが、強い相手だと勝負が長期化するのは必然だ。さらに、勝負に焦ると隙が生まれやすいので、負けに繋がるパターンも多くなってしまうだろう。

 (何とか弱点を補う方法を考えなとな。)

 涼平は戦いの振り返りをしたところで歩き始めた。


 偵察役の悪魔がモーデン帝国に帰還した。

 「アランさん。これが戦闘を記録した映像です。相手はかなりの手練れですぞ。」

 アランに記録媒体を渡す。

 アランは映像を確認する。

 「はっはっはっ。そういうことか。相手が悪かったな。今まで派遣した奴らではこいつに勝てるわわけがない。」

 アランは映像を見て戦闘に負けた理由に納得する。

 「この相手の男に心当たりでも。」

 偵察役の悪魔がアランの反応に疑問を抱く。

 「ああ。こいつの相手は私が直接出るしかない。とりあえず、ラナとヴィルを呼んできてくれ。話はそれからだ。」

 アランは偵察役の悪魔に命令する。

 「分かりました。」 

 偵察役の悪魔は部屋の外に出る。

 10分も経つと部屋に二人の悪魔が入ってくる。一人はラナだ。もう一人はヴィルと呼ばれる身長2メートルを超える大柄な男だった。

 「何の用かな。もしかして、3人でご飯でも食べに行くの?」

 ラナは自分とヴィルの二人が呼ばれた理由を考える。

 「それはいいな。リィトの奴がいなくなってから、このメンバーで飯なんて食べてねぇからな。」

 ヴィルも賛同する。

 この3人に加えて、ラナの兄であるリィトの4人で小隊を組んでいた時期があったのだ。リィトがいなくなったことで、小隊は解散しヴィルとラナは別の小隊に配属されることとなり、アランは小隊での功績を認められ帝国議会の議員に選出された。それ以降、3人で集まることが無くなったのだ。

 「食事かそれも悪くはないだろう。けど、どうせ行くなら4人一緒だ。」

 「どうい事かな?もしかしてお兄ちゃんが見つかったの?」

 アランの発言にラナは驚きを隠せない。

 「とりあえず、この映像を見てもらおう。」

 アランは2人に映像を見せる。

「この戦い方はお兄ちゃんに違いないよ。顔は変わらないけど、尻尾が無くなっちゃってるね。何でだろう?」

 「確かに戦い方はリィトみたいだが、明らかに以前と比べて弱くないか。昔のあいつなら、男の悪魔の方も一撃で倒してたぞ。」

 ラナとヴィルはそれぞれ、映像を見た感想を言う。

 「二人も思ったように、見た目や強さに多少の違いはあれど、この男はリィトで間違いないと断言できる。」

 アランは同じ小隊の仲間であったラナとヴィルも映像の男をリィトだと思っているので、自分の考えがあっていると確信する。

 「なるほどな。リィトが相手だから、同じ小隊だった俺たちで倒しにいこうってことだな。」

 ヴィルはアランの考えが分かった。

 「そうだ。手の内を知っているかつ、強い奴と言えば俺たちしかいない。」

 「確かに私たちは適任だと思うけど、お兄ちゃんはちょー強いよ。私たちでも確実に勝てるか怪しいよね。」

 ラナは自分の兄の強さを思い出す。

 「そうだな。模擬戦でも一度もリィトの奴に勝ったこと無いしな。」

 ヴィルも涼平の強さはよく知っていた。

 「その通り。いくらリィトが弱くなったとはいえ、最強だった以前と比べての話だ。当然無策で行けば負ける可能性もある。そこで、私はいい作戦を考えた。」

 「作戦?」

 ラナは疑問に思う。自分の兄が何か作戦を立てられたところで負ける姿が想像できなかったからだ。

 「そうだ。もちろん、半端な作戦ではリィトには通用しないだろう。だから、リィトの虚をつく作戦が良い。」

 「どんな作戦だ。早く教えろよ。」

 ヴィルはじらしてくるアランにしびれを切らす。

 「リィトは何らかの状況に巻き込まれて人間界に行ったのだろう。リィトは人間界に馴染んでいると俺は考える。だから、リィトは行方不明になった時から人間界に行ったと結論付けた。」

 「そうかもしれないけど、それと作戦に何の関係があるの?」

 ラナはアランの話の先が見えない。 

「つまり、リィトはここ数年の魔界の状況を知らないことになる。そして、その数年の間に数種類の新たな魔法が生み出された。その魔法の中で、リィトとの戦いで有利になれる魔法を見つけた。その魔法は・・・。」

 アランは2人のリィト攻略の作戦を説明する。

 「確かにいい作戦だが、決行までに準備する時間が必要だな。しかも、わりと時間がかかりそうだな。」

 ヴィルはアランの作戦を聞いて、リィトを倒せる見込みがあると感じたが、時間のかかることを気にした。

 「それは心配ない。一か月以内にこの作戦を決行する。一か月の間にこの国が負けるとは考えられない。仮に第二防衛ラインが突破されたとしても、リィトと国宝の二つを手に入れれば逆転することもできるだろう。」

 アランはヴィルの言葉の意図を汲み取り説明する。

 「そうだね。それで、いつから準備始めるの?」

 「もちろん今からだ。」

 アラン、ラナ、ヴィルの三人によるリィト攻略作戦の準備が始まった。


 

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